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電線なんて地下に引いちゃえばいいのにしない理由・・・大橋です

12.08.16 | 事務所通信

パリやニューヨークなどの都市をテレビで見ていると
洗練されてスッキリした街並みが広がっていてキレイだなぁ、と感じます。

なんでこんなにキレイなんだろうなぁ?と思いながら地元の街を歩いてみると
空に電柱・電線がビッシリ!ということに気づきます。

電線がなくなれば見栄えもよくなるのに、なんて思います。
たいてい街の空は、網目のように電線で埋め尽くされています。

なんでこんなに電線があるのかな?
素人の私は、穴掘って埋めればいいだけじゃん!
なんて思ってしまいますが
電線の多くを空中に架けているのは、地中に埋められない理由があるからだろう。


調べてみると「電線類地中化」と言われるそうなのですが、

この電線類地中化には課題が・・・


課題の前に、地中化のメリットですが
冒頭で述べたように、景観がよくなることがまず挙げられます。
歴史的な景観都市などでは積極的に地中化が推進されており
伊勢・川越などは地中化により古くからの街並みがよみがえり
観光客の増加に成功しているようです。

次に災害時の被害防止です。
地震や台風などで電柱が倒れると家屋を巻き込んでしまったり
電線が切れてしまうと停電も起きてしまいます。
切れた電線は地面を這い、緊急車両の往来もままなりません。

それに、通常時でも電柱があると道幅が狭くなります。
電柱が撤去されれば普段の往来もスムーズになり
車椅子やベビーカーも通りやすく、バリアフリー化の一環としても有効です。


メリットはだいたいこの3つに集約されるようです。


では地中化のデメリット、もしくは課題はどんなものがあるでしょうか。

これ、自分で調べて笑ってしまったのですが
先ほどの3つのメリットなんて比較にならないほど、出るわ出るわ・・・といった感じでした。

まずは費用の問題です。

地中に電線を埋没すると、電柱と比べ約20倍(!)も経費がかってしまいます。
具体的には、1kmあたり4億~5億円かかるのだとか。
維持費もかなりのもので、たとえば切れたことが目視で確認できる電柱とは違い
メンテナンスにかなりの労力が必要です。
災害時に断線してしまえば道路を掘り返す必要があり、これも大変です。

冠水・豪雪なんていう災害の時は地中を掘り返すこともできません。

工事にはもちろん道路や私有地を長期間掘り返す必要がありますが
これには数ヶ月もかかってしまい、住民から反対されてしまうでしょう。

地中には、ガス管や上下水道管が通っていますが、これらの位置も把握しなければいけません。
明治時代に埋設されたガス管などは正確な位置がわからず、慎重に計画を行う必要があります。

変圧器や道路標識などの施設は地上におかなければいけないので
通行スペースも結局は確保しておかなければならない。。

他には、電線・変圧器が歩行者に近づくために電磁波量を浴びる量がアップ
電線の避雷効果がなくなるため落雷の危険性がアップする・・・
費用の負担面で自治体の足並みが揃わない・・・


という感じで、クリアしなければいけない課題が山程あるわけです。

空を埋め尽くしている電線がなくなるのは、もう少し先になりそうです。

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