TFSグループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

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『租税教育』に思う・・・

15.06.15 | 税務・会計

■ 仕事をおいてでも?!『租税教育』

6月11日、東京税理士会館で東京税理士会主催による「租税教育」講師のための研修会が開催されました。

子どもたちと接することが大好きな(いや人前で話すことが好きなだけかもしれませんが・・・)私自身、小学校6年生に向けた税の授業を、年に何度となく担当!

6月も7月も・・・仕事をおいてでも?!可能なかぎり、租税講師としての授業に行く予定です。

目をキラキラ輝かせて、身を乗り出すように聞いてくれる児童生徒との出会いが、本当に楽しみなのです。

税理士会が行なっている租税事業の実績も、
平成24年度:  977件
平成25年度:1,433件
平成26年度:1,720件
と、いずれも小中学校が9割を占めるものの、大きく伸びてきている状況。

では、なぜ『租税教育』が必要なのか・・・。

(つづく)

■ 『租税教育』って

いつも心ウキウキ、楽しさだけが先に立って『租税教育』に飛び出していくのですが・・・
『租税教育』講師研修会は、職業会計人たる税理士が、次の世代を担う子ども達に
なぜ『租税教育』を行うのかを、少し立ち止まって考える貴重な機会に。

◆そもそも『租税教育』とは?
・・・税について学習すること。

◆学習とは?
・・・具体的には「知識を得ること」「考えること」
       「実践すること」。

◆「知識を得る」って、どのような知識?
・・・

  ① “税の意義”に関する知識

  ② “税の役割”に関する知識・・・具体的には「集めた税の使いみち」

  ③ “税の制度”に関する知識・・・具体的には「申告納税制度の理念、税の公平、税の種類」
                「税の立法のあり方」「法律の定めに従った納税」

このように、ひとつひとつをひも解いていくと、自分自身が何のために教壇に立つのか、
心ウキウキだけではいかん~と、自戒とともに整理できてくるのです。


■ 何のために『税の学習』?

そもそも、何のために税の学習が必要なのか?

「児童生徒が将来、税の制度、政策に対する
判断力(考察力)をつけるための素養を養うため」

「児童生徒の将来に向けた、租税意識の高揚のため」

具体的には、社会の構成員たる国民のひとりとして、来るべき成人に向けて、

① 公平な法整備のため~立法について意見を持ち、使いみちにも意見を持つ
② 社会的責任や負担を理解して、正しい行動ができるように
③ 法令の定めに従った、納税義務の適正な実現ができるように

研修講師テキストから引用している部分もあるので、少し堅苦しい表現になってしまいましたが、
「児童生徒」をそのまま「納税者」「国民」と置き換えて、しっかりと考えてみたいです。


■ なぜ、税理士が『租税教育』を行うのか?

少し手前みそになってしまうのをお許しいただければ・・・

「税について唯一の職業専門家」
「税についての知識や経験が豊富」
「独立公正な立場(徴収者としての立場でない)」
「申告納税制度の理念を、もっとも理解している」

という項目が掲げられ、租税教育のその先にあるものは・・・

「国民が、租税法案作成過程に関与できるようになる!」

「その際、税理士が国民の代表として直接関与できるようになる!」


■ 国税局の特別整理部門の待合廊下で・・・返す言葉が見つからず

私自身、税の使いみちを決める地方議員、税を納める納税者の代理人としての仕事という、
税に関して「決める側」「納める側」の双方の立場を経験して参りました。

職業会計人として、納税者に適正な納税をしていただくことを生業としているからには、
税を納めた後の使いみちをチェックして、ときに意見する!という責務も強く感じています。

昨年末、国税局の特別整理部門の待合廊下で、顧問先とともに座りながら、
借金をしてでも納税義務を果たされる生真面目な社長から、
国会議員の文書交通滞在費が公開されていないことへの憤りに始まり、
「身を切る想いで納めた税金を詳らかにして、大切に使って欲しい」
と語りかけられて・・・返す言葉が見つかりませんでした。


■ 税金は最大の「他人のカネ」???

党首討論で約束した国会議員定数削減、さらに国会議員の文書交通滞在費問題しかり、
「当たり前のことを当たり前に」国会議員自らが、先頭に立って身を削って改革に立ち向かうことを、
この国はいつから忘れてしまったのか・・・

残念ながら、その後倒産してしまった、先の社長から、
今でもそんな声が聞こえてくるように思えてなりません。

「税金は最大の他人のカネ」になりかねないことも、無駄遣いの温床なのかもしれません。

国の役割は外交・安全保障・マクロ経済政策等に特化して、
国民生活に身近な諸政策はできるだけ身近な自治体で税金の使い道を決め、
納税者がチェックする仕組みに変えていく。遠くへ行けばいくほど、
チェックの目は行き届かないものです。


■ 税に対する講師の熱い思いを伝えること!

『租税教育』の目的を再掲してみます・・・

① 公平な法整備のため~立法について意見を持ち、使いみちにも意見を持つ
② 社会的責任や負担を理解して、正しい行動ができるように
③ 法令の定めに従った、納税義務の適正な実現ができるように

やはりこのような『租税教育』を通じて、未来の有権者・納税者たる多くの児童生徒に、
税に対する意識を高揚してもらうことは、とても大切なことのように思うのです。
                           
最後に、講師研修で肝に銘じた言葉・・・

生徒児童は、講師の一挙手一投足を見ている。
決してウケを狙った授業をするのではなく、一生懸命に、知識を正確に伝えること。
税に対する講師の熱い思いを伝えること。

“税に生きる”ひとりとして、これからも熱く伝え続けたいと思います。

                 2015年(平成27年)6月   山  崎   泰




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