株式会社シルスフィア会計事務所/シルスフィア税理士事務所

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消費税の免税選択に関する改正(予定)

16.01.07 | 不動産証券化

今回は、「平成28年4月1日以降に物件を取得した場合の消費税の免税選択に関する改正(予定)」 をお伝えいたします。


□不動産証券化スキームにおいて、SPCの消費税のポジショニングは投資収益を最大化する上で重要な事項であり、スキーム組成前からシミュレーションを行い、最善の検討を尽くした消費税のポジションを選択することが一般的かと思います。

通常、不動産証券化スキームにおいては、次のようなポジションを選択することが最も有利になるケースが多いと考えられます。(マンション等の居住用物件を除きます。)

●物件取得時は課税事業者を選択して建物に係る消費税の還付を受ける。

●その後は、免税事業者(又は簡易課税)を選択して、ランニング時及び物件売却時の消費税の納税を抑える。

上記のようなポジショニングは理想的ですが、このようなポジショニングが不可能となる改正が、平成28年度税制改正において予定されています。


□具体的には、平成28年度税制改正大綱において、 「平成28年4月1日以後に高額資産※1の仕入等を行った課税事業者には、当該高額資産の仕入れ等の日の属する課税期間から当該課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度及び簡易課税制度は、適用しない。」 

とする改正が予定されています。(平成28年度税制改正大綱 P.89~90) 

※1 「高額資産」とは、一取引単位につき、支払対価の額が税抜 1,000 万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます。
※2 上記の改正は、平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合について適用されます。ただし、平成27年12月31日までに締結した契約に基づき平成28年4月1日以後に高額資産の仕入れ等を行った場合には、適用されません。


■平成28年度税制改正大綱は↓よりご覧いただけます。 
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/131061_1.pdf


□次のようなスキームを検討されている場合には、税制改正がこのまま成立すると、免税(又は簡易課税)によるメリットを受けることが出来なくなりますので、ご注意ください。 

●平成22年3月31日以前に設立されたSPCを利用し、平成28年4月1日以降に物件を取得(開発型における竣工引渡しを含む。以下同じ。)するスキーム

●消費税課税事業者選択届出書の適用開始日から2年を経過した後に、物件を取得するスキーム


□物件取得が平成28年3月か4月かで大きな影響が生じますので、上記のようなスキームをご検討されている場合には、物件取得を3月中に早められないかを検討することも、一考の価値があると思われます。

なお、平成27年12月31日以前に締結した契約に基づいて平成28年4月1日以降に物件を取得する場合には、上記の改正は適用されませんので、例えば、開発型において、平成27年12月31日以前に締結した工事請負契約に基づいて平成28年4月1日以降に竣工引渡しを受ける場合や、平成27年12月31日以前に締結した売買契約に基づいて平成28年4月1日以降に物件を取得する場合は、本改正の影響は受けず、当初の想定どおりの消費税メリットを受けられると考えられます。

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代表取締役/代表税理士 稲葉 孝史 Inaba takafumi 

税理士 Certified Public Tax Accountant 


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