税理士法人SKC

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政治とビジネスは違う?

17.01.24 | 堺俊治の独り言的情報

トランプ大統領は、政治をビジネスの取引の様に考えているのではないかという批判めいた憶測が飛び交っています。政治とビジネスと何が違うのでしょうか?

松下政経塾では、10年以上前から「首長よ、経営者たれ」と唱え、首長の経営感覚を磨くために「PHP首長講座」を開設していました。これは自治体を一つの経営組織として捉えて運営する考え方です。経営感覚の無い元お役人や政治家の首長が、地方自治体の財政を破綻させるという例が続出しています。方や元経営者が地方自治体の財政再建に乗り出す例も続出しています。財政再建だけでなく、地方創生に元経営者が首長として先導する例も多く起きています。

池上彰氏は、トランプ氏を今までの大統領に居なかったイデオロギーを持ち合わせ無い大統領と言い、トランプ氏はイデオロギーよりビジネスと同様に損得の取引を優先する政治のやり方ではないだろうかと、心配気に語っています。まるでイデオロギーが無い事が問題であるかの様に聞こえます。池上氏がいうイデオロギーとは、共産主義と自由主義、博愛主義とか、民主主義とか又は何か教条や政治的哲学理念の事なのでしょうか? 強い信念を持って経営に取り組む経営者は数多く居ます。理想的なイデオロギーとトランプ大統領の「America First」又は就任演説での「1つの政権から次の政権に、あるいは、1つの政党から別の政党に移行するだけでなく、権限を首都ワシントンの政治からアメリカ国民に返す」という宣言は政治的信念とは言い難いという事なのでしょうか? 「We will follow two simple rules: Buy American and Hire American.」(我々はアメリカのものを買い、アメリカ人を雇用する)という方針は「物価指数を2%上げる」という方針とどう違うのでしょう。オバマ元大統領は、素晴らしく理想主義的な演説をしてきました。核ミサイルの配備を強化しながら、「核兵器を世界から廃絶しよう」と言える大統領でした。あれだけ綺麗事を言えるオバマ氏は、なぜあれだけ高潔で誠実なサンダース氏を支持しなかったのか、なぜ大嘘つきのヒラリーなのか。安倍首相の支持率は「美しい国にする」より「物価指数を2%上げる」の方が上がったのではないでしょうか。

私はトランプ大統領を支持するのかしないかという選択ができるほど知りえている訳ではないのですが、今のマスコミのトランプ大統領の捉え方には、ひどくズレを感じてしまいます。もう少し、アメリカファースト政策の意義や問題点、移民政策がどうであれば良いのか問題なのか等を明確にするべきではないかと思うのです。
トランプ氏がアメリカ人の代表と言われると冗談じゃないという人たちが反対デモを繰り広げているのでしょうが、我々には、こういう人がアメリカ人の典型だよと言われても、あまり違和感はなくないですか。ニューヨーカーで無いのは確かでしょうが・・・。

策謀や謀略ばかりに明け暮れる政治家より、セクハラでひんしゅくを買う様な粗暴で野暮なオッさんであっても、誠実に国を経営してくれるビジネスマンの方が大統領として安心出来、可能性も感じてしまいますが、皆さんはいかがでしょうか。友だちになりたいと思う訳では無いのでどうでもいいのですが、もう少し知的に品よくやって欲しいとは思いますね。

 

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