社会保険労務士法人九州人事マネジメント

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時間外労働の上限規制導入に向けた法改正を建議

17.06.19 | 労働ニュース

労働政策審議会は5日、労働条件分科会が同日取りまとめた報告に基づき、時間外労働の上限規制導入などの法改正について厚生労働大臣に建議を行いました。
  ※「建議」とは審議会から厚生労働大臣または関係行政機関に意見を述べることです

今回の建議は、3月に政府の働き方改革実現会議が決定した実行計画に基づき、罰則による法的強制力を伴う時間外労働の上限規制などを導入すべきとするもので、主な内容は以下のとおりとなっています。
(1)時間外労働の上限規制
 ・現行の時間外限度基準を法律に格上げするとともに、臨時的な特別な事情がある場合として労使合意した場合でも上回ることができない上限を設定する
 ・上限は原則月45時間・年360時間(1年単位の変形労働時間制では月42時間・年320時間)とし、上限違反には罰則を適用する
 ・上記規制の特例として、臨時的な特別な事情がある場合として労使協定を結ぶ場合でも上回ることができない上限を年720時間と規定する
 ・年720時間以内で、一時的に事務量が増加する場合も最低限上回ることができな上限を次のとおりとする
   ①休日労働を含み2カ月ないし6カ月平均で80時間以内
   ②休日労働を含み単月で100時間未満
   ③原則である月45時間(1年単位変形制では42時間)を上回る回数は年6回まで
(2)現行限度基準の適用から除外されている業務等の取り扱い
 ・自動車の運転業務については、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、上記の上限規制(一般則)を今後定める改正法の施行日から5年後に、年960時間以内の規制を適用することとし、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設ける
 ・建設事業について、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の施行日から5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する。ただし、復旧・復興の場合については、単月で100時間未満、2カ月ないし6カ月の平均で80時間以内の条件は適用しないが、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設ける
 ・新技術、新商品等の研究開発の業務については、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することがないよう対象を明確化した上で適用除外とする
(3)労働基準法に基づく新たな指針
  可能な限り労働時間の延長を短くするため、新たに労基法に指針を定める規定を設け必要な助言・指導を行えるようにする
(4)勤務間インターバル
  労働時間等設定改善法2条を改正し、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定の休息の確保に努めなければならない旨の努力義務を事業主に課すとともに、その周知徹底を図る
(5)長時間労働に対する健康確保措置
  労働安全衛生法66条の8の面接指導の対象について、時間外労働が1カ月当たり100時間を超えた者から申し出があった場合に実施を義務づけている規定を改め「1カ月当たり80時間超」とする
  http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000166799.html

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