宮田総合法務事務所

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今更聞けない改正信託法の家族信託からみた実務的ポイント!

16.01.27 | 暮らし・人生にお役に立つ情報

大正時代に制定された信託法は、平成18年12月に改正され、
平成19年9月に施行されました。

ここでは敢えて、一般市民の目線に立って、
改正信託法により我々一般市民がそれをどう使えるようになったのか、
何が新しく変わったのかについて分かりやすくご説明します。

大正時代に制定された信託法は、平成18年12月に改正され、
平成19年9月に施行されました。

この改正信託法については、学識経験者からみた
改正のポイントについて様々は様々な点が指摘されています。


しかし、ここでは敢えて、一般市民の目線に立って、
日常の財産管理や相続・事業承継対策として
その活用が注目されている家族信託・民事信託について、
改正信託法により我々一般市民がそれをどう使えるようになったのか、
何が新しく変わったのかについて分かりやすくご説明します。


①後継ぎ遺贈型受益者連続信託の明文化(信託法第91条)
民法法理では判例上認められていなかった「後継ぎ遺贈」を、
信託法理においては有効であると明文化した革命的な条文です!

これにより、単なる遺言では実現できなかった2次相続以降の
資産承継の道筋を自分一人で描ける仕組みを構築できるようになり、
想いどおりの相続・事業承継が実現しやすくなりました。

この機能を活用することにより、障害者のある一人っ子の家庭で、
最終的には相続人不存在として国庫に帰属してしまう事態を
回避することが可能になったという点で、障害者のための
“福祉型信託”の普及拡大の可能性を大きくしました。


②自己信託の創設(第3条第3号)
家族信託・民事信託が相続・事業承継等様々な場面・多様なニーズに
対応できるように新しい類型の信託が創設されました。

特に名義預金対策としての金銭の自己信託
中小企業の事業承継に絶大な効果を発揮できる株式の自己信託という
仕組みが導入できるようになりました。


③信託監督人・受益者代理人制度の創設(第131条、138条)
プロの受託者に預けるのではない家族信託・民事信託を前提とした、
受益者の権利行使の実効性を高めるための仕組みが創設されました。


④受益者変更権・指定権(第89条)
家族信託・民事信託の分野を中心に多用なニーズに
応えられる仕組みとしての創設された権限です。
これにより、贈与の意思表示や受益の意思表示を
必要としない「みなし贈与」を実行しやすくなりました。

自己の判断能力喪失後又は死亡後においても
状況の変化に応じた適切な財産分配の実現の余地や
幼い子供や障害者のための財産管理の手法(福祉型信託)
としての活用の余地が広がりました。


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