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勝てる組織は「カード」が尽きない

16.02.26 | ビジネス【人的資源】

前回触れた、男子サッカーのリオデジャネイロ五輪アジア最終予選で、日本が優勝を飾った。日本は上位3ヵ国に与えられる出場権を、獲得したのである。 

男子サッカーの五輪予選は、23歳以下の選手で争われた。しかし、日本のこの世代は、これまで結果を残せていなかった。 

最終予選突破を危惧されたチームは、いかにしてアジアの頂点に立ったのか。その答えは、手倉森誠(てぐらもり・まこと)監督の采配にある。

「監督が『これをやれば勝てる』と決めつけたら、勝っても、負けても、選手には何も残らない。そうではなくて、勝つためにはこれをやる、あれもやってみる、といろいろな取り組みをしていくべきです」 

すでに実績を上げている組織なら、「このやり方で他社との競争に勝つ」という一点突破も可能だろう。だが、何かを成し遂げていない若い組織には、さまざまな解決策を提案したほうがいい。日ごろの業務のなかで、問題解決のカードを増やしていくのだ。 

手倉森監督が続ける。 

「強い組織というのは、ひとつのやり方に頼らない。コレがダメならアレがある、という柔軟性を持っている。自分たちの強みだけで勝負しない。弱みを突かれて劣勢に立たされたとしても、耐え抜く覚悟を持っている」 

問題解決のカードを増やす過程では、自分の長所とこれから克服していくべき課題が、浮き彫りになっていく。それによって、カードの使いかたの確度が上がっていくメリットもある。組織全体の柔軟性も高まり、顧客満足度のアップにもつながっていくはずだ。 


スポーツの視点からみる人的資源 


[プロフィール] 
戸塚 啓(とつか・けい) 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。 

[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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