税理士法人SKC

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トランプ大統領の誕生

16.11.23 | 堺俊治の独り言的情報

  トランプ氏の勝利について、予想外の結果と騒いでいる大方の大手メディアの情報を聴いても、何も観えてこない気がします。今回の報道で、私はより大手メディアが信用できないという意を強く持ちました。賢明な皆様も同様だと思います。

  米国の有力各新聞の8割がクリントン氏支持し、日本でも大手メディアはクリントン氏の勝利を予想しました。中には大勝するという予想をした大手メディアすらあります。しかし、米国の社会分析をメディアに頼らずに自分の目で観察をしていた人たちや、インターネットでの情報収集に拠って分析をしていた人たちは、トランプ氏の勝利を充分に予想出来ていました。大手メディアの中でも何人かはトランプ氏の勝利を予想している人はいましたが・・・。

  バーニー・サンダース氏を覚えていますか。民主党の大統領指名候補として最後までクリントン氏と争ったお爺さんです。元大学教授のサンダース氏は選挙資金もほとんど無い中、若い男女の圧倒的支持を得て、小額の寄付だけを集めてクリントン氏に対抗したんです。このサンダース氏の演説(日本語訳)を聴くとその内容に感動します。サンダース氏は若者にとっての希望の星だったんです。当時は米国のメディアは、サンダース氏でなければ、民主党は共和党に負けると言っていたほどです。この段階で、米国の若者や労働者が強いられている状況がかなり過酷な状況であることが読み取れたはずです。この票の大半は、隠れトランプとしてトランプ支持票に流れています。他にもトランプ氏が勝利した要因はいくつか挙げられるようですが、少なくとも、上っ面の情報だけで集めて、いかにも判ったような評論を流す大手メディアからは、真のトランプ氏勝利の要因は観えてきません。未だに信じられない結果だとか、今後が不安だとか言っているのですから、全くどうしようもありません。

  私には、白人社会が大航海時代から産業革命を経て600年以上に渡り、他民族を植民地化して収奪し、支配してきた時代が崩壊しつつある現れに思えます。自由・平等、民主主義、機会均等など、綺麗ごとで飾ってきた白人社会に余裕がなくなってきたとでも言えばいいのでしょうか。自由貿易はしない、移民は受け入れない、紛争には関与したくない。自国の運営だけ(アメリカファースト)で手いっぱいということでしょう。「自国の白人層がひどい状態なのに他国にかまうな!」という声にトランプ氏が応えたということではないでしょうか。

  また、トランプ氏の人格について云々するメディアにもあきれてしまいます。最近、大手メディアに田中角栄氏を見直す傾向がありますが、角栄氏が総理大臣の時も同じように角栄氏の人格を蔑んだのは大手メディアです。安倍総理大臣が、国益のため早々にトランプ氏に会見したことも、大手メディアは一向に評価しないどころか、米国にしっぽを振っている等と揶揄する大手メディアのお抱え評論家がいるくらいです。

  これから、トランプ大統領が、日本の国防に対して自立を要求することは容易に考えられますが、こんな大手メディアがどんな対応が出来るのか、大きな懸念を持ちます。

  私たちは、日本や世界で起きていることに、しっかりと自分の眼と耳で情報を集めて判断する時代になってきたのだと思います。これからもTVはエンターテイメントの道具にすぎないし、新聞は編集者の意図に沿った事実しか流さないことも判っていないと、起きていることが見えなくなってしまいそうです。

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