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患者=お客様という意識がクレームを減らす

13.09.08 |

過剰なクレーマーを表す
“モンスター○○○”という
言葉を最近よく耳にします。

代表的なものとして
モンスタークレーマーと
モンスターペアレントがありますが、
同じモンスターとはいえ
この2つには大きな違いがあります。

モンスタークレーマーの場合は、
クレーマー側とクレームを受ける側の両者が、
“お客様”意識がクレームを起こしている
という認識を共有しています。
クレームの原因がお客様対応の過不足にある
という理解を共有できていることで、
少なくとも同じ次元で話し合うことができます。

一方、モンスターペアレントの様なクレームでは、両者の認識が共有できていません。
自分と子供は学校からサービスを受ける“お客様”だと考える保護者に対して、
子供と保護者を“お客様”と考えている学校は多くはありません。

認識がそもそも異なるため、話し合いではすれ違いが多くなり解決も難しくなります。

では、クリニックのクレームはどうでしょうか。

患者は既に“お客様”意識を持っているクリニックのクレームは、
モンスターペアレントと同じ構造といえます。
患者は既に自分達を“お客様=患者様”と認識しているのに対し、
クリニック側にはその認識はまだまだ広まっていません。

患者の呼称について“患者さん”と“患者様”のどちらが良いか、
 現役医師が運営する、医師の会員制コミュニティサイト「MedPeer」が
同社のサービスを利用する医師を対象に実施したインターネットアンケートによると、
約7割の医師が「違和感がある」と回答し、
その理由は「よそよそしい」からということでした。

このようなずれを解消するには、患者側の意識が変化することを待つのではなく、
クリニック側の認識を変えていく必要があります。

[プロフィール]
長田 耕一(ながた・こういち)
フォーユーメディカル株式会社 取締役副社長。広域医療法人の元法務責任者としてクレーム対応を経験。その数は1,000件を超える。現在は、医院の第三者継承をマッチングする「クリニックM&A」事業にてM&Aアドバイザーとして年間20件以上の譲渡成立を支援するとともに、医師会や企業研修での講演、各種媒体でのコラム執筆などで活動中。共著に「医業承継の完全実務」(日本法令)。
http://www.4um.co.jp/
http://www.clinicma.com/

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