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登記できる建物とできない建物 その違いとは?

18.06.08 |

不動産登記に関する制度を定めた“不動産登記法”によると、国内すべての建物に登記が義務づけられています。
では、不動産登記法における“建物”とは、一体どのようなものを指すのでしょうか? 

今回は、登記できる建物とできない建物について、その違いをご説明します。

不動産登記法における
“建物”の定義とは?

不動産登記規則第111条によると、『建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない』と定められています。

では、具体的にどのような建造物のことを指すのか、各要件を以下の3点に分けて見ていきましょう。

(1)屋根と壁がある→『外気分断性』
(2)土地に定着→『定着性』
(3)用途に合ったもの→『用途性』


(1)『外気分断性』とは?

屋根や壁によって“室内が外気と分断されているかどうか”が判断基準となります。また、建築素材の耐久性なども重要視されます。

そのため、耐久性が低く、完全に外気と分断できているとはいえないビニールハウスなどは、建物として登記することができません。


(2)『定着性』とは?

永続的にその土地に定着して使用できるか否か”が判断基準です。

たとえば、ボルトなどで固定せず、コンクリートの上に設置されただけの物置は、土地への定着性がないため建物として登記することはできません。

また、モデルハウスや仮設店舗のような“一定期間しかその場所に存在しない建造物”も、定着性の要素を満たしていないため、登記の対象になりません。


(3)『用途性』とは?

用途・目的にあった機能が備わった状態か否か”が判断基準となります。

不動産登記規則第113条1項によると『建物の種類は、建物の主な用途により、居宅、店舗、寄宿舎、共同住宅、事務所、旅館、料理店、工場、倉庫、車庫、発電所及び変電所に区分して定め、これらの区分に該当しない建物については、これに準じて定めるものとする』とされています。

たとえば、人が住む住宅には、屋根と壁だけでなく、床やドア、窓なども必要です。
そのため、“人が住める状態”とはいえない建築途中の建物は登記することができません。建物が完成した後に登記を行いましょう。

また、車庫の場合は、車などが出入りするため、前方の壁がなくても建物だと認められます。

そのほか建物の構造などについては、不動産登記規則第114条および不動産登記事務取扱手続準則第81条で定められています。
不動産を登記する際には、必ず規程を確認するようにしましょう。



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