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労働者増員で受けられる新たな助成金制度とは?

19.02.08 |

いよいよ今年4月より『働き方改革関連法』が順次施行されます。
しかし現実にはその対応が間に合わない、負担が大きいという中小企業も多いでしょう。 
そこで厚生労働省は、働き方改革関連法の施行に伴い、労働者を増員する中小企業を対象とする助成金制度を新設する方針を明らかにしました。 
詳細は2019年度予算成立後に決定されるため、まだ確定はしていませんが、今回は発表された概要をお伝えいたします。

新たな助成金制度導入の背景

2019年4月から順次施行される『働き方改革関連法』。
これにより時間外労働の上限は原則月45時間、年360時間となり、特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)が限度となります。

大企業には2019年4月、中小企業には2020年4月から適用され、さらに中小企業には月60時間を超える時間外労働に対して50%以上の割増賃金を支払うという措置も2023年4月より適用されます。
また2019年4月から、企業は10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇のうち5日については毎年時季を指定して必ず取得させなければならなくなりました。

こうした働き方改革に着手する中小企業は、労働時間削減などに伴って、新たな人員確保が必要になる可能性が高いものの、実際の労働市場においては人手不足感が強く、人員に余裕がないというのが現実です。

今回新設予定の助成金は、働き方改革のために人材確保をする必要のある企業の、こうした事情を勘案して設けられる方針となったと考えられます。


最大750万円が受給可能に

新設予定の助成金制度の概要は以下のとおりです。

【対象となる事業主】
既設の『時間外労働等改善助成金』において以下の支給を受けた中小企業事業主。
(1)時間外労働上限設定コース
(2)勤務間インターバル導入コース
(3)職場意識改善コース
新たな助成金が正式決定される前に、既存の『時間外労働等改善助成金』の内容を十分に理解し、これら助成金制度に前もって取り組んでおく必要があるということになります。

【要件】
上記助成金の活用と合わせて、以下2点を満たすこと。
(1)雇用改善に向けた計画書を作成し、人員配置の変更、時間外労働の削減など労働者の負担軽減に取り組む。
(2)新たに労働者を雇い入れて定着(雇用継続1年)させる。

【支給額】
人員増員の上限は10人までとし、以下のように支給額が定められています。また、生産要件を満たした場合は、支給の上乗せがされます。
・一般労働者
新規雇用労働者1人当たり60万円(生産要件を満たした場合は+15万円)
・短時間労働者
新規雇用労働者1人当たり40万円(生産要件を満たした場合は+10万円)


今回ご紹介したのは新設予定の助成金制度で、まだ正式に決定はしていません。
しかし、『働き方改革関連法』施行に向けた環境整備ということで、厚生労働省も力を入れており、2019年度の予算概算要求でも昨年より大幅に予算額を上げています。
同助成金が新設された際には、ぜひ導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

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