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2割の顧客が全体の8割を売り上げる『パレートの法則』で効率化を

20.02.10 |

商品やサービスを販売すると、さまざまな顧客の存在を実感します。 
あまり商品を購入せずに、安価なものだけを購入する顧客もいれば、頻繁に来店し、高額な商品を購入してくれる顧客もいます。 
高額な商品を購入してくれる、いわゆる“お得意様”は全体の2割で、彼らが全体の売上の8割を生み出しているといわれています。 
これを『パレートの法則』といいます。 
マーケティングの世界では、この法則を基に施策を決定することが多々あります。 
いったいどう活用していけばいいのか、具体的に紹介していきます。

現象が起きるときは80:20に偏る

『パレートの法則』とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した法則のことで、『80:20の法則』や『パレート分布』と呼ばれることもあります。

簡単に説明すると、『全体のなかの一部分が全体の数値の大部分を生み出している』という法則のことで、理論に基づくものというよりも、さまざまな経験から見つけ出された法則といえます。

ビジネスの場面では、『仕事の8割の成果は、その人の全体の2割の時間を使って生み出されている』や『会社の売上の8割は、会社の2割の社員が担っている』などが例としてよくあげられています。

この法則はマーケティング戦略を立案したり、実施したりする際に、しばしば用いられます。

マーケティングで『パレートの法則』を活用する場合、まずは顧客数の分布を考えます。
『パレートの法則』に則るとするならば、売上の8割を、全体の2割の顧客がもたらすということ。
つまり、全体の顧客が1,000人だとしたら、そのなかの200人が全体の売上の8割を生み出すというわけです。

この200人は、企業にとっては、いわゆる優良顧客の“お得意様”といえます。
この“お得意様”は、全体の売上の8割を生み出すのですから、当然、頻繁に来店しますし、高額な商品もどんどん購入してくれます。
まさに企業にとっては神様のような存在です。

一方で、残りの800人も大切なお客様には変わりありません。
しかし、“お得意様”に比べると、来店頻度も少ないですし、滅多なことでは商品を購入してくれません。
買ってくれたとしても、リーズナブルな商品ばかりで、大きな売上にはなりません。

このように『パレートの法則』に基づくと、だいたいの顧客の分布が予測できます。
その予測に沿って、コストや営業力を集中させる場所を決めていきます。


2割の“お得意様”や“商品”に力を注ぐ

“お得意様”には自社の営業マンを向かわせて積極的に商品をアピールしたり、常連客限定の販売デーなどを設けたりするなど、購買を促す施策を次々と打っていきます。
逆に、来店頻度が少ない800人の顧客には、ダイレクトメールや安売りセールなど、コストのかからない施策で購買を促します。

つまり、『パレートの法則』によって、マーケティング戦略を立案する際に、どこに注力すればいいかが明確になるわけです。
800人の顧客に対して、いくら購買を呼びかけても、反応は薄いでしょう。
8割を占める一般の顧客にコストやマンパワーをかけるよりも、2割の上客に時間やコストを費やす方が効率的で、生産性も上がるというわけです。

これは、顧客のみならず、自社の商品やサービスに対してもいえることです。
『パレートの法則』に基づけば、自社商品が10種類あったとすれば、そのなかの2種類だけが爆発的に売れる商品で、残りはそこまで売れない商品と位置づけられます。
もちろん現状とは多少の齟齬があるかもしれませんが、概ね『パレートの法則』に沿った予測が立てられます。

この場合、たとえば売れてない8種類の商品にパワーを掛けるよりは、そのぶんの販売努力を、売れている2種類の商品に集中させるべきということがいえます。

どこに時間を割くのか、どこに人やコストを集中させるのかを考えるうえで、パレートの法則は参考になるでしょう。
ただし、あくまで経験則であり、何かのデータに基づいた理論や、研究で導き出された学説ではない点に注意が必要です。
絶対的な結論としてではなく、マーケティング戦略を考える際の指針や目安とするのが妥当な活用の仕方といえるでしょう。


※本記事の記載内容は、2020年2月現在の法令・情報等に基づいています。

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