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企業の中核を担う人材を育てる『管理職研修』の重要性

20.10.27 |

部下の指導から予算管理、目標の設定まで、企業の中核を担う管理職は、自身の業務のほかに、チーム全体を管理する能力を求められます。
しかし、肩書が課長や部長になったからといって、すぐに管理職に必要な能力を発揮できるわけではありません。
そこで各企業では、管理職としての意識や役割を身につけてもらうための『管理職研修』が行われています。
これは、最近では新入社員研修と同様に重要な研修として位置づけられています。
今回は、管理職研修の種類や意義、内容などをご紹介します。

企業における『管理職』とは

そもそも管理職とは、どんな役割のことを指すのでしょうか。
雇用形態や業種によってさまざまですが、一般的に『管理職』といえば、課長以上の役職のことを意味し、役職のない一般的な社員と区別されます。
ちなみに労働基準法には、『監督若しくは管理の地位にある者』として『管理監督者』という言葉がありますが、これは経営者と一体的な立場であり、重要な責任と権限をもつため、労働時間や休憩、休日に関する規定が適用されない者のことをいいます。
その労働者の立場や権限をふまえて実態から判断するため、必ずしも企業の『管理職』のことを指すわけではありません。

新卒社員が課長に昇進するには、平均して15~20年ほどといわれています。
必然的に、40代くらいの“中高年”にあたる世代が、課長以上の管理職になるケースが多くなります。

管理職は、その名の通り、チームを管理する権限を有しており、上長に判断を仰がなくても、自分の裁量で部下を動かすことが可能です。
管理職になるということは、より経営者の立場、企業側に近い立場になるということ。
一般社員のように自分の業務だけを担当するわけではなく、自分の業務をこなしつつ、チーム全体を見通し、企業全体の利益のために動かなくてはなりません。

自身の成績や評価だけを気にしていればよい一般社員のときと比べて、チームの成績はすなわち管理職の責任に直結します。
チームが成果を出せていないと、多くの場合「管理職がチームを運営できていない」と判断されるでしょう。
そのようなことにならないためにも、事業者や人事担当者は、管理職に対し研修を行い、しっかりとチームを高めていく力をつけさせる必要があります。


さまざまな管理職研修の種類

管理職への研修にはいくつか種類がありますが、近年、特に重要視されているのが『新任管理職研修』です。
新任管理職研修は、課長などの管理職に昇格したばかりの人に対して行う研修で、所属する部やチームの業績を向上させることが自身の職務であることを認識してもらうために行います

ほかにも、管理職としてのコンプライアンス意識や、チーム運営のためのマネジメント能力、さらに予算管理や部下の管理の仕方なども学んでもらいます。
一般社員から管理職としての意識に入れ替えてもらうための研修ともいえます。

研修は会社に専門家を招いて行うほか、外部に委託する場合もあります。
基本的には各企業の職種や現状に合わせた研修プログラムを行い、新任管理職に必要なスキルを身につけてもらいます。

新任管理職研修以外には、すでに管理職に昇格して数年経つ従業員が受ける管理職研修や、部長以上の管理職が受ける『上級管理職研修』などがあります。

上級管理職はいわばトップの意向を理解し、それを自分なりに戦略化し、チームに伝える役割を担います。
そのためには企業の経営状態や組織マネジメントを学ぶ必要があります。
そこで、部下の管理や目標設計の仕方などを学ぶ新任管理職研修とは異なり、もっと幅広い戦略立案や業績の拡大、組織の改革、リスクマネジメントなど、より経営者に近い立場での考え方や視点を学ぶための研修として、上級管理職研修があるのです。

管理職が優秀であれば、その企業はうまく回るといわれています。
管理職研修は会社的にも、中高年労働者のキャリア形成にも必要不可欠なもの。
組織力をつけて業績を伸ばすためにも、管理職研修の導入・実施を検討してみてはいかがでしょうか。


※本記事の記載内容は、2020年10月現在の法令・情報等に基づいています。

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