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感染の不安を抱く患者に安心感を与えるコミュニケーション方法

21.04.06 |

新型コロナウイルスに感染することを恐れて、歯科の受診を控える患者が増加しています。
その結果、治療ができず、いわゆる『コロナ虫歯』になってしまう患者も少なくありません。
コロナ禍では、歯科受診における感染リスクが話題になったこともありましたが、基本的には感染予防対策をしっかりと行っている歯科医院で、コロナに感染することはゼロに近いといわれています。
そこで今回は、感染に不安を持ちながら来院した患者に対し、安全性をアピールするコミュニケーション方法を紹介します。

受診控えが、虫歯や歯周病悪化の原因に

コロナ禍の影響で、患者が来院しなくなり、途中で止まってしまった治療を進めることができず、歯がゆい思いをしている歯科医師もいることでしょう。
さらに、長くなった“おうち時間”のため、口に食べ物を運ぶ回数が増え、虫歯になる人たちも増えたと見られており、そのような場合には一刻も早く治療をする必要があります。

また、マスクをつける日常が当たり前になったことで、歯周病になる患者も増えています
人の唾液には、口内を酸性から中性に変えて、歯周病菌の繁殖を抑える効果があります。
しかし、マスクをつけると鼻呼吸がしづらくなり、口呼吸になりやすく、結果的に口の中が乾いてしまいます。
その結果、歯周病になりやすくなってしまうのです。

このような口腔内トラブルが頻発している今、歯科医院としては、まず患者の来院を促さなければいけません。

現在では、基本的にほとんどの歯科医院はフェイスガードやマスク、さらには徹底した除菌や検温などで感染症対策を行っています。
そのため、新型コロナに感染する危険性は限りなく低いといえます。

ところが、患者にその事実が伝わっていないことも多いのが現状です。
歯科医院としてはホームページや張り紙などで、自院は患者が安心して来院できる環境を用意してあることを伝えていく必要があります。
そして、来院患者に対しても、不安を拭い去るような対応を心がけることが重要です。


安心してもらえるコミュニケーションとは

どんな医療行為にもいえることですが、治療において必要なのは『聞くこと』と『話すこと』というコミュニケーションです。
この二つができていないと、患者の信頼を得ることはできません。
ここでは、来院患者の検温や院内の換気、医療器具のアルコール消毒などの感染予防対策を行ったうえで必要なコミュニケーションに焦点をあてて考えてみます。

特にコロナ禍のように、前例のない事態においては、できるだけ歯科医師に自分の不安を聞いてほしい、納得できるように説明してほしいというのが患者の本音です。
患者が感染予防対策やリスクについて質問をしてきたときは事務的な対応で済ませず、「そうですね」「よくわかります」といった相槌を多く打つなどして、相手の不安に寄り添うような態度が必要です。

また、自院の感染予防対策を口頭で説明するなどの場合にも、話し方への配慮は重要です。
順を追って説明するのが苦手なようであれば、まずは伝えるべきことを一文ずつにまとめ、簡潔な話し方に変えていくとよいでしょう。
たとえば、「感染予防対策ですが、換気と除菌も行っていますが……」と続けて話すのではなく、「感染予防対策について説明します。医療器具や診察台は患者ごとに除菌しています」などのように、文の区切りを意識することで、相手に必要な情報をシンプルに伝えることができます。

そして何より、患者とのコミュニケーションにおいて大切なことは、笑顔を見せることです。
歯科医の笑顔は安心感を与え、患者の不安を払拭します。
マスクで顔の半分以下が隠れてしまう状態だからこそ、目元で精一杯の笑顔を伝え、リラックスして治療を受けてもらえるよう心がけるとよいでしょう。


※本記事の記載内容は、2021年4月現在の法令・情報等に基づいています。

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