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- 21.02.27 | ニュース六法
- 山林火災の責任とは
栃木県足利市の市街地に近い山林で、2月21日に山火事が発生し、その後大変なことになっています。地元消防のみならず、陸上自衛隊も出動して消火活動を続けていますが、下草などで燃え広がっていて、麓からの消火活動の他、ヘリコプターによる散水が中心になるも、プロペラの風がさらに火を広げかねないこともあって、なかなか鎮火せずに広がっていったようです。大勢の近隣の方々が避難されるなど、被害は広がっていきました。同じころには、群馬県や青海市のほうでも山林火災が相次いでいます。
これらの山火事の原因ですが、たばこの火の不始末ではないかとか、焚火が原因ではないかなどと言われていますが、はっきりとしていないようです。群馬県桐生市の山林火災では、近くに住む高齢男性が山林に隣接する空き地でドラム缶の中に杉の葉を入れて燃やしていたところ、周辺の下草に燃え移り、山林に燃え移ったとみられているようです。もし不始末で山火事を起こしてしまった場合、どのような責任を問われるのでしょうか。- 続きを読む
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- 21.01.30 | ニュース六法
- 主権免除(国家免除)とは
「主権免除」という国際慣習法があります。国家は外国の裁判権から免除されるというものです。「国家免除」とか、「裁判権免除」とも呼ばれています。これが日韓関係をまた揺さぶっています。
元慰安婦らが韓国国内で日本国(日本政府)を被告にした訴訟で、この1月8日に、ソウル中央地裁は、原告の請求を全面的に認め、日本国に対して1人1億ウォン(約940万円)の支払いを命じる判決を言い渡しました。日本政府は、国家は他国の裁判権に服さないとする国際法である「主権免除」を理由に、「そもそも日本政府を訴えることができないために訴訟は却下されるべきだ」としていました。ソウル地裁はなぜこんな判決をしたのでしょうか。日韓友好を通常の状態に早く戻したいものですが、どう考えるべきでしょうか。(写真はソウル中央地方裁判所)- 続きを読む
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- 20.10.02 | ニュース六法
- マスク拒否と航空機
9月に、航空機に搭乗した男性乗客がマスクを着けておらず、客室乗務員が新型コロナウイルス感染拡大の防止として着けるようにお願いを続けるも、断固として拒否をしたために、最後には航空機から退去するよう命令が出て強制的に降ろされるという事件が相次ぎました。
こうして航空機から降ろされた後に、いずれの男性も、自分にはマスク着用に身体的な問題があると主張し、航空会社の対応は不当と非難していました。こうした男性の主張は正しいのか、航空機会社側に権限はあったのか、その法的根拠はあったのかなど、にわかに航空機内のルールが話題にもなりました。飛行機に乗ったとき、どんな場合に降ろされてしまうのでしょうか。- 続きを読む
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- 20.07.12 | ニュース六法
- 「自筆証書遺言の保管制度」がスタート
2020年7月10日から、法務局での「自筆証書遺言の保管制度」がスタートしました。自分で作成した遺言書を法務局に持参し、3,900円の手数料を支払えば、原本を保管してもらえるという制度です。公証人に作成してもらう公正証書遺言に比べて費用や手間が低いという面があり、これから注目を受けそうで、遺言書を作成する方も増えそうです。この制度を利用するにあたっての注意すべき点を説明してみたいと思います。
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- 20.05.30 | ニュース六法
- 賭け麻雀のアウトとセーフ
- 定年延長で世の中を騒がせた黒川東京高検検事長が、文春砲であっけなく辞任に追い込まれてしまいました。産経新聞の記者宅で、産経記者2名と朝日新聞社員(元記者)と4人で、あろうことか賭けマージャンをしていたという記事で、本来は賭博罪を起訴する権限を持つ検察官としては誠にお粗末な結果としか言いようがありません。真面目にやっている大勢の後輩検察官も嘆いているものと思います。後輩検事たちはこんなことで萎縮せず、時の政府・権力者におもねることなく、毅然と検察業務を行って頂きたいと、同じ法曹として強く思います。
ところで、今回、黒川氏は辞職だけで留まりましたが、賭博罪には問われないのかと、いろんな方に聞かれました。賭けマージャンのアウトラインはどこにあるのでしょうか。 - 続きを読む
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- 20.04.29 | ニュース六法
- パチンコ店名の「制裁的公表」
- 大阪府は4月24日、新型コロナウイルス特別措置法に基づき休業要請に応じないパチンコ店6店を知事の会見で公表し、大阪府ホームページでも掲載しました。この特別措置法での施設名公表は、これが全国初でした。休業要請に応じず公表されたパチンコ店は大阪市の2店舗、堺市の3店舗、枚方市の1店舗でした。その後、他の都府県でもパチンコ店名公表が続々と続いています。
これに対応して、休業した店も出てきましたが、皮肉なことに、続行した店舗の中には、翌日の開店時に約300人が並んだ店もあるということです。行政が宣伝をしてくれたようなもので、「逆効果だ」との意見もあり、眉をひそめたくなる状況ですが、さまざまな意見があるのも事実です。中には、「特定業種を恣意的に選んで見せしめに首を絞めるようなやり方は法治国家としてすべきではない」というような意見も見受けられます。こうした事態を、法的にどのように考えていったらいいでしょうか。 - 続きを読む
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- 20.03.29 | ニュース六法
- 改正民法と桃太郎
- 2020年4月1日から、改正民法の多くの部分が施行されました。
この施行を控えて、法務省が、昔話「桃太郎」を題材にした啓発マンガを作成して公表しています。改正の大きな柱である4項目を題材にして以下の6話で構成されています。
第1話 はじまり 第2話 約款 第3話 賃貸借
第4話 消滅時効 第5話 保証 最終話
これは、法務省と東京大学法科大学院・法学部有志との共同制作ということで、マンガ家のほんままりさんが書いておられます。なかなかよくできたマンガだと思います。
ここに、マンガのあらすじ解説と、そこに出てくる改正民法の要点をお話します。特に、その中で出てくる「根保証」と「極度額」の話については、これから賃貸借契約を交わす家主さんなどは、必ずお読みになるのがよいと思います。 - 続きを読む
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- 20.01.04 | ニュース六法
- ゴーンショックと保釈問題
- 年末に被告人カルロス・ゴーン氏が日本からレバノンに逃亡したという驚きのニュースが飛び込んできました。現在、国際刑事警察機構(ICPO)により国際逮捕手配書(赤手配書)にて国際手配されています。ルノー・日産・三菱アライアンスの元社長兼最高経営責任者(CEO)が起こした前代未聞の国際逃亡事件です。まるで映画のような話ですが、今後どうなっていくのか気になるところです。さまざまな法的問題が噴出していくと思いますが、まずは保釈に関する点に絞って考えてみました。
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- 19.11.30 | ニュース六法
- 路線価に基づく相続財産評価を不適切とした判決の波紋
- 日経新聞が、本年11月18日に、「相続税で路線価を否定、地裁判決、節税に警鐘」という見出しで、「路線価に基づく相続財産の評価は不適切」とした東京地裁の判決が波紋を広げていると報じました。通常、国税庁では不動産の相続税での算定基準を「路線価」としていますが、実際の時価が路線価の約4倍の事案で、その時価を前提に課税した国税当局を裁判所が認めたものです。路線価は、通常は取引価格の8割程度のために、節税策として不動産を購入する人も多いのですが、そうした相続対策に大きな影響が出そうです。
日本経済新聞電子版2019年11月18日▼
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52324200Y9A111C1CR8000/ - 続きを読む
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- 19.11.10 | ニュース六法
- ゴルフ練習場のフェンス倒壊問題~災害ADR
- 本年9月の台風15号が直撃した千葉県市原市で、ゴルフ練習場「市原ゴルフガーデン 」のフェンスが倒壊した出来事は衝撃的でした。この倒壊で横に建っていた多くの家屋が破損したほか、長期間、撤去作業ができず、自宅に戻れない住民のストレスなど様々な問題が発生していました。ようやく、その状況を見かねて無償で撤去作業を申し入れた親切な業者が現れ、撤去作業がほぼ終わることになりました。
これからは賠償問題の解決が本格的になってきます。どうなるのか、他人事ながら気になっていましたが、千葉県弁護士会の「災害ADR」が賠償交渉の鍵になってきそうです。 - 続きを読む
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