桂川会計(桂川淳税理士事務所) 

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フレッシャーズの「明日」を楽しみに接する

14.03.30 | ビジネス【人的資源】

幼少期の子どもには、
スポーツを教えてはいけないという。

サッカーならボールに触らせる。
「そこはドリブルじゃなくてパスだ」といった指導は、
子どもたちから自由な発想を奪う。
ドリブルをしたい、パスをしたい、シュートを打ちたい、
といった彼らの欲求を尊重する。

スポーツの視点からみる人的資源

おそらくは、ほんの少しの成功とたくさんの失敗が残る。
それでいいのだ。
成功と失敗の体験は、学習意欲を刺激する。
「もっとうまくなりたい!」という
モチベーションが育まれていく。

モチベーションを「花」にたとえれば、
ボールにたくさん触る実体験は「水」だ。
美しい花を咲かせるには、
しっかりと水を与えなければならない。

フレッシャーズが社会に飛び出していく季節だ。
スポーツをはじめたばかりの子どものような気持ちで、
彼らはネクタイを締め、スーツに袖を通す。
モチベーションのバロメーターは、
いつだって100パーセントである。

新入社員に、どんな仕事を任せるのか。
どれぐらいの責任を課すのか。

元サッカー日本代表監督、
イビチャ・オシムさんの言葉が興味深い。
「子どもの指導者は、今日の結果ではなく、
明日はどんなプレーをするのだろうと
楽しみにしながら、子どもたちと接するべきだ」

イマドキの若者のモチベーションは、
意外なほどあっさりと萎んでしまう。
だからこそ、高濃度な実体験という「水」を、
適切に与えていくことが大事だ。

オシムさんは、こうも語っている。
「今この瞬間に指導している子どもたちが、
プロになって大観衆の前でプレーする姿を想像してみるといい。
そうすればおのずと、指導者は何をするべきかが分かるだろう」

新たに迎えた部下の未来に想像を働かせ、
彼らを育てていきたいものである。


次回の「スポーツの視点からみる人的資源」は
「5月病を回避する特効薬とは?」をお届けします。


[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。


[記事提供]

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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