桂川会計(桂川淳税理士事務所) 

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「5月病」の新入社員にどう向き合うか

14.05.04 | ビジネス【人的資源】

プロ野球・楽天イーグルスの松井裕樹投手が苦しんでいる。
昨季の日本一チームにドラフト1位で入団した即戦力だが、
シーズン開幕から4試合連続で白星がない。
プロの分厚い壁に直面しているのだ。

社会人1年目の新入社員も、
最初の難所を迎えるタイミングだ。
リラックスして仕事に臨めるようになっていく一方で、
気持ちの緩みを上司に指摘されたりする。
研修期間を終えて本格的に仕事を任されることで、
過度のプレッシャーを感じつつある新入社員もいるだろう。

スポーツの視点からみる人的資源

どちらのケースでも、
「自分は社会人としてやっていけるだろうか」
といった悩みにつながりがちだ。
そんなタイミングで、ゴールデンウィークがやってくる。
学生時代に似たゆったりとした時間を過ごしたり、
かつての友人と再会したりすることも、
フレッシャーズの気持ちを揺さぶる。
いわゆる『5月病』が迫ってくる。

フリーダイビングというマリンスポーツがある。
ウェットスーツと足ヒレを着けただけで、
どれだけ深くまで潜れるのかを争う競技だ。

日本のフリーダイビング界を牽引する
プロ選手の篠宮龍三さんは、
「高いモチベーションを無理に維持する必要はない」と言う。
「いつもハイテンションでいたら、
絶対に落ちるタイミングが来る。
それならば、急降下しないラインを保ちながら
取り組んでいったほうが、
スポーツでも仕事でも現実的で効率的」と話すのだ。
「中庸がちょうどいい」というスタンスで、
篠宮さんは世界4位の115メートルの記録を持っている。

新入社員に『5月病』の兆候が見えたら、
ひとまず見守る余裕を持ちたい。
「どうした?」や「元気か?」といったひと言に止める。
無理にモチベーションを引き上げる働きかけは、
かえって逆効果だ。
ゆとり世代のど真ん中にあたる今年の新入社員も、
考えているところはある。
大切なのは、彼らを受容する上司の姿勢だろう。
部下が「この人(たち)と一緒に仕事をしたい」
と思うようになれば、彼らは自然とモチベーションを高めていく。

次回の「スポーツの視点からみる人的資源」は
「成果をあげた組織をさらにレベルアップさせるには?」を
お届けします。

[プロフィール]
戸塚 啓(とつか・けい)
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。

[記事提供]

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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