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究極のリーダーシップとは・・・藤田です

14.07.15 | 職員通信2


 日本中が盛り上がったサッカーワールドカップもドイツが優勝で幕が閉じました。

 今回の大会は、中心選手の調子のよしあしと、監督の采配が、勝負を左右したような気がします。

 
 やはり、サッカーのチームも組織と同じで、中心となる人の役割って大事なのかな・・・などと、ぼんやりと考えている時、ある雑誌で次のような文章に出会いました。


 ~多様化した環境に対応するための究極のリーダーシップ~

 私たちの事務所にも、「リーダーシップ能力測定」というシステムがあり、顧問先の会社様にも行ってもらっています。

 リーダーシップとはなんでしょうか?
 早速、調べてみました。

 「リーダーシップとは人を引き付けることではない。そのようなものは、煽動的資質にすぎない。 仲間を作り、人に影響を与えることでもない。そのようなものは、セールスマンシップにすぎない。」

 有名な経営学者ピーター・F・ドラッカーは『現代の経営』で、このように書いています。

  リーダーシップとは、資質でも、カリスマ性でもない。

 ドラッカーは、意味あるリーダーシップとは、 組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で確立することだと言っています。 

 リーダーとは、 目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者といえます。

 リーダーシップとは、仕事であると断言しています。

 リーダーシップの素地として、責任の原則・ 成果の基準・人と仕事への敬意に優るものはない。

 働くことの目的、働くことに対する価値観は人それぞれです。
 
 会社の中を見れば、年齢層、 生活スタイルも異なる人達の集まり、これが組織の実態です。

 その組織をどのように束ねて、 どのように引っ張っていくか、これは、リーダーとして常に頭の中にある課題ではないでしょうか。


 
 ハーバード大学教授のロバート・カッツは、「リーダーが身につけるべきスキル」として 「コンセプチュアルスキル」というものを挙げています。


 まず仕事においては、3つのスキルが 求められるとしています。

 ①テクニカルスキル(業務遂行能力・業務処理能力)

 ②ヒューマンスキル(対人関係能力=気付く・聴く・伝える)

 ③コンセプチュアルスキル(論理的思考力・問題解決能力・応用力、 つまり組織全体に影響力を与え、PDCAサイクルをまわすこと)


 組織への影響力の発揮の仕方に関して、2つのリーダーシップスタイルがあります。

 1つ目は「牽引型のリーダーシップ」です。

 リーダーシップというと一般的には、この牽引型が一番に頭に浮かぶと思います。

 組織のメンバーを鼓舞しながら、ぐいぐいと引っ張っていく、俺についてこいというタイプです。

  高い目標を掲げ情熱・勇気を持って先頭を走る姿や、鋭い観察力で先を見据えた将来像を示すことにより、 メンバーや部下は感銘を受けてついていくのです。


 2つ目は、「サーバントリーダーシップ」=奉仕型リーダーシップとも言います。

 これは部下に仕える・従属する・こびるという意味では、決してありません。

 後方から、メンバーを支えて背中を後押しし、 時に下から支えながら自ら考えさせる、自ら動かざるを得ない状況を作り出すようにするのです。

 資生堂の元社長池田守男氏は、資生堂の改革において、サーバント・リーダーシップの考えをとっています。

  「上の地位にある者が、第一線に指示をして、仕事の仕方を変えさせるのではなく、第一線がやりやすいように仕事の環境を整え、 彼らの自主的な改善を後押しする、サーバント・リーダーシップの考え方が、社員の意識改革に変化をもたせた。」と言っています。


 株式会社ファーストリティリングの柳井会長兼社長は、従業員約4,100人の前で、「社員全員と経営者全員にサーバントリーダーになってもらいたい。」と語られたそうです。

 サーバントリーダーは、大義のあるミッション・ビジョン・バリューを示し、メンバーに奉仕するという考え方です。

 この2つのリーダーシップスタイルは、牽引型が時としてワンマンというマイナスイメージを持たれたり、 奉仕型が心優しいというプラスイメージを持たれる事もありますが、どちらが良いとか優れているというものではありません。

 どちらのリーダーシップスタイルも、自分が掲げる目標に対して強い使命感や志を持ち、その実現のために取る手法なので、 どちらかに偏る必要はありません。

 また場合によって、リーダーは状況に応じて顔を使い分けることも目標達成のためには有効です。

 リーダーは時に、牽引型の手法をとり、時にサーバントの顔を持つ、そういったことでも良いのです。



 しかし最近、サーバントリーダーの活躍が目立つようになってきています。

 なでしこジャパンの佐々木監督も、選手の意見を取り入れながら練習メニューを考えたり、自分のやり方を一方的に押し付けることなく、選手の自主性に任せる方針でチームの力を引き出したりしています。

 顧客ニーズが多様化した社会や、環境の変化が激しい今の市場では、経営者の号令の元にこうすればうまくいく正解はありません。


 経営者自身も、的確な方向性を示すことが難しくなってきました。

 この顧客や市場の多様な環境においては、社員一人ひとりが本気になり、自分の能力を全開にして、立ち向かう必要があります。

 言われたことを忠実にこなすだけではなく、主体性を持って取り組むことや創意工夫することが大切です。

 そのためには、彼らが活躍できるように環境を整えたり、支援・奉仕・サポートを行ったりすることが重要な役割になってきます。

 大きな企業は、経営者個人の素質以上に組織の論理が働きます。

 そして、多くの場合、経営者自体がサラリーマンです。

 しかし、中小企業は、オーナーである経営者自身でどうにかなります。

 経営者が牽引型リーダーであれば、従業員はそれに応じた働き方をします。

 多くの場合は、受け身で依存的になります。

 言われたことはするが、それ以上のことはしません。

 そこには、従業員はいるけれども、フォロワーはいないのです。

 経営者がサーバントリーダーであれば、従業員はそれに応じた働き方をします。

 多くの場合は、大義あるミッション・ビジョンに向かって主体的に働きます。

 自分なりに、創意工夫する人が多くなります。

 サーバントリーダーの方が、私には魅力的に思います。

 
 どうしたら、サーバントリーダーになれるのでしょうか?

 私は大前提に、大義が必要だと思います。

 社会貢献・顧客貢献・自身・社員の幸せなどのエゴを超えた、想いのある大義を心の底に持っていてこそ、発揮できると思います。

 リーダーをリスペクトしてこそ、フォロワーになれると思うのです。

 そのように行動していきたいな、と思いました。
 
 出典:日本政策金融公庫 調査月報

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