ものづくり補助金とは?
19.11.19 | 公的資金活用
中小企業の設備投資に使える、もっとも有名な補助金。
それが「ものづくり補助金」です。
実はこの3年間で、歯科関連で700件近く
採択されています。
採択率は35-55%(実績)
ものづくり補助金は、毎年度の補正予算で予算化されています。直近3ヶ年の採択状況をまとめてみました。
採択率は35-55%となっています。
2018・2019年は公募が2回行われていますが、
2回目よりも1回目の方が採択数が多く採択率も高くなっています。
ということは、1回目の公募、つまり春先が勝負のタイミングといえそうです。
補助金の申請が採択されるかどうかは、審査基準にもとづいて、
高得点が得られるかどうかにかかっています。
倍率2-3倍の受験と同じような競争条件と考えればよいでしょう。
基本的に、差別化要因となる設備投資が対象
ものづくり補助金の対象となるのは、基本的に設備投資です。
しかし、単に設備投資というだけでなく、
- 技術的課題があり
- その設備投資によって課題をクリアすることで
- 差別化ができる
というストーリーと収支向上のシミュレーションが必要です。
ただ、新たに導入する設備の性能がいかにすぐれていようとも、
競合が同じ設備を入れ同じ使い方をするならば、
差別化になりません。
本当によく聞かれるのが
「○○を買えば、通りますか?」
という質問です。
答えは、もちろんNOです。
もしYESなら、何を買うかで採否が決まり、
それ以外では決まらない、ということになっているはずです。
実際には、同じ設備を入れる計画(申請)でも、
採否の結果が分かれています。
実は、院の経営方針・将来像と、
これまでの診療・技術の蓄積こそが
本質的な差別化要因となります。
これが技術的課題として記述する内容のベースとなります。
- 既存設備が老朽化したので入れ替えたい
- 近隣の院はみな入れていて、遅れているので入れたい
- 不要不急だけど、補助金もらえるなら入れておきたい
といった計画の場合、その設備投資によって差別化が図れる
ストーリーは難しそうですね。
あくまで、前向きの設備投資をお考えの場合に、
補助金活用が選択肢となります。
補助金は前払い・後精算
補助金はもらえるお金ですが、
残念ながら、
先にもらってから使った分を精算するのではなく、
先に使ってから後で精算してもらう、
という資金の出入りになります。
先に使うといっても、申請書が採択され、
交付決定通知書が交付されてからでないと、
補助金の対象になりません。
採択されたからといって、
善は急げとばかりに発注をかけてしまうと、
すべて台無しです。
採択された計画に従って、交付決定通知が出た後に発注する
これだけは忘れないでください。
申請できるのは個人クリニック
ところで、ものづくり補助金は、中小企業庁所管の補助金です。このため、基本的には会社法人と個人事業主が補助対象となっており、
医療法人は対象外です。
また、申請・受給時点では個人事業主であっても、
順調に院経営が発展し法人化した場合、
補助金によって購入した機材が院長先生個人から
医療法人へと所有者が変わるので、注意が必要です。
実際に採択されているのはどんな計画?
現時点では、今年度補正予算でもの補助が予算化されるか、どのような内容になるかは未定です。
ただ、元々、来年あたり、○○を入れようかな、とお考えの場合は、
カタログを取り寄せる
デンタルショーで実物を見て説明を聞いてみる
見積を取り寄せてみる
など準備を進めておくとよいでしょう。
採択された案件は、中小企業庁やものづくり補助金事務局のHPで
案件名だけ見ることができます。
ご希望の方には、直近3ヶ年5回の公募で採択された
歯科関連の案件リストを作成してありますので、
その旨、メールでお知らせください。
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