有限会社 サステイナブル・デザイン

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補助金活用で「安心と成長の未来を拓く」

19.12.12 | 公的資金活用

「安心と成長の未来を拓く」
これは、12月5日、
ちょうど1週間前に閣議決定された
経済対策のタイトルです。
ご自身の院の「安心と成長の未来を拓く」のに
関係しそうな内容はどうなっているでしょうか?

安倍総理大臣の記者会見

12月9日の記者会見で、中小企業対策について、このように述べています。
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地域経済の核である中小・小規模事業者の皆さんには、
総枠3,000億円を上回るものづくり補助金、IT補助金、持続化補助金を活用し、
生産性革命を一気に加速します。
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ここが関係してきそうですね。
それぞれ、どのような補助金でしょうか?

ものづくり補助金

競合との差別化を図るための設備投資を後押しする補助金です。
今年度の場合、上限1000万円、補助率は基本1/2、一定の条件を満たせば2/3でした。
例)1500万円(税抜き)の機材を導入する場合、補助金額は1500万円×1/2=750万円。

設備投資なら、なんでもかんでもOK、というわけではありません。
ある設備を入れて、しばらくは他の院にはできない診療やサービスができたとします。
しかし、それに気づいた近隣の院が同じ設備を入れたら同じことをできてしまうとしたら、
すぐに競争条件は同一になってしまいますね。

そこでポイントとなるのは、

①院の経営方針×②技術・診療の特徴×③新たに導入する設備

の掛け算。
①と②が違うから、③が同じでも、違う結果になります。
そのようなストーリーが、無理のない収支シミュレーションとともに
まとめられた計画書(=申請書)が、高く評価されます。

モノありき(③)ではないのです。

開業時の借入返済は一段落し、気持ちとお金の面で
余裕ができたところで、ステージを上げるために活用する、
あるいは、既存設備の更新期を迎えるので、
そのタイミングで単なる入れ替えではなく、
新しい取り組みにチャレンジするために活用する、
といったイメージです。

IT補助金

ITツールの活用が今後の生産性のカギを握ります。
ものづくり補助金が、基本的に設備投資を対象とするのに対し、
ITツールの導入に対する補助金がなかったので、
3年程前から補正予算に盛り込まれるようになりました。

公募内容(対象・金額)は、年度によって大きく変わっています。
昨年度は、HPの新設・リニューアルが対象となっていましたが、
今年度は対象外でした。

勤怠管理、予約~電子カルテ~レセプト~現金出納の連携一括管理、
など、アナログ手作業で手間暇かかり、どうしてもミスが生じてしまう
ような作業を、ITツール導入で一挙に解決、というのがねらいです。

ある程度規模拡大した(しつつある)院の、
マネジメントを補完するために活用するイメージです。

ただ、今年度は金額のハードルが上がり、数百万円規模のIT投資が
対象となったこと、かなり審査が厳しかったことなどで、
うまく活用できたところは少ないようです。

来年度どうなるか、公募内容が固まるのを待つ必要がありそうです。

持続化補助金

集客や販売促進の取組に対する補助金です。
これまでずっと、上限50万円、補助率2/3です。

対象は「小規模事業者」に限定されていて、
商業・サービス業(歯科医院はここに該当)の場合、
「常時使用する従業員が5人以下」です。

開業して間もない院の増患・増収対策、
あるいは近隣での新規開業が相次ぎ、
存在感をアピールするために活用する、
といったイメージです。

来年ではなくても

12月5日に閣議決定された経済対策には、次のように書き込まれています。
少々長くなりますが、上記のような補助金は今後も継続する方針と読めますので、
3-5年の少し先を見据えた院の経営の中で、必要なタイミングで活用するプランニングを
しておくのがよいでしょう。

  • 中小企業・小規模事業者がこれらの相次ぐ制度変更に対応していくため、先端技術の実装をはじめ、生産性向上に資する取組への支援として、革新的な製品・サービス開発のための設備投資支援や、小規模事業者に特化した販路開拓支援、ITツールの導入支援等を複数年にわたり継続的に実施する仕組みを構築し、国として必要な財源を確保する
  • その際、例えば、積極的に賃上げに取り組む場合や、被用者保険の適用拡大について、改革に先立って任意適用する場合に、優先的に支援を受けることができる仕組みを導入する。

後段、賃上げ、被用者保険の適用拡大にも言及されています。
こちらは人件費の押上要因ですから、それを吸収し、それ以上に収益力の上がる計画が求められる、ということになりますね。

3年の計を考えてみましょう

いよいよ師走、年の瀬が迫ってまいりました。
1年の計は元旦にあり、と言われていますが、
今年の年末年始は、「3年の計」に取り組んでみてはいかがでしょう?
国会審議が順調に進めば、2-3月に公募が始まります。
それから考え出すと、申請準備が間に合わない可能性があります。

ある程度、補助金の内容が見えてきた段階で、
説明会を開催することも考えていますので、
ご案内を差し上げたいと思います。

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