20.05.12 | 税務・会計

■「緊急事態宣言」が延長されるなかで

想定内というべきか・・・当初5月6日までの予定だった政府の「緊急事態宣言」が、
全国レベルで5月31日まで延長されるなか、「特定警戒都道府県」とそれ以外の県で、
徐々に異なる対応が取られるようになってきました。

「緊急事態宣言」継続か解除かのスケジュールは、
専門家会議が開催される5月14日さらには21日が、大きな節目となるとのことですが・・・

目の前の日程感を耳にしただけで、緊張感一杯だった心が緩んで、
外出自粛“緩和”に傾いてしまいそうになる姿勢を戒めなければ、と強く思っている次第です。

■『感染防止』と『経済回復』は、両立しないだろうか？

『感染防止』と『経済回復』は、どうやったら両立するのだろうか？
『感染防止』と『経済対策』が、さも両立しないかのような議論は本当に正しいのだろうか？

先の連休中も、全国で頑張っておられる、様々な業種の顧問先を想いながら考えていました。

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■「緊急事態宣言」が延長されるなかで

想定内というべきか・・・
当初5月6日までの予定だった政府の「緊急事態宣言」
が、全国レベルで5月31日まで延長されるなか、
「特定警戒都道府県」とそれ以外の県で、
徐々に異なる対応が取られるようになってきました。
 
「緊急事態宣言」継続か解除かのスケジュールは、
専門家会議が開催される5月14日さらには21日が、大きな節目となるとのことですが・・・
目の前の日程感を耳にしただけで、緊張感一杯だった心が緩んで、
外出自粛“緩和”に傾いてしまいそうになる姿勢を戒めなければ、と強く思っている次第です。


■『感染防止』と『経済回復』は、両立しないだろうか？
 
『感染防止』と『経済回復』は、どうやったら両立するのだろうか？
『感染防止』と『経済対策』が、さも両立しないかのような議論は本当に正しいのだろうか？
先の連休中も、全国で頑張っておられる、様々な業種の顧問先を想いながら考えていました。


■「３密」をビジネス促進に使っていたのでは・・・
 
もはや流行語大賞にでもノミネートされそうな「３密」というキーワード！
「密閉」「密集」「密接」を避けるという、ソーシャル・ディスタンス。

でも、よくよく考えてみれば・・・
これまでのビジネス形態は、私たち会計事務所業界はじめ
「密閉」「密集」「密接」という、まさに『密』な空間でのコミュニケーションが、
人間関係を深め、気脈も通じ合い、さらに接触頻度を高めて、
営業促進ひいては契約成立というビジネス展開・・・
こんな既成概念のなかで生きてきたように思うのです。


■ 物理的な「３密」から、新しい“発信力”“探知力”へ
 
コロナ後、今までのように、大事なお客様に「密閉」空間で接し、
「密集」した場で商品展示・説明し、飲食や懇親等で「密接」に交わることで、
ビジネス展開していく・・・

このような既存秩序で考えている限りは、
『感染防止』と『経済回復』は両立しないのかもしれません。

これまでのように物理的な距離だけで、お客様との距離感を計るのではなく、
頻繁な情報配信、真の付加価値提供などといった、新しいモノサシで
お客様と心理的な距離を縮めていく、社会的な価値観を共有していく・・・

そんな、お客様が求めている価値の“探知力”や
真に価値ある情報の適切な“発信力”などを
高めていくことも、コロナ後の新しい姿のように思います。


■１００年前のスペイン風邪大流行に学ぶこと
 
視野を広げて、マクロなレベルでも
行政政策としての『感染対策』と『経済回復』という観点から、様々な指摘があります。

今から100年ほど前に大流行したスペイン風邪。

当時の米国では、早急に強固な『感染対策』を講じた都市ほど、
大流行後の『経済回復』度合いが大きかったという指摘です
（渡辺安虎・東大教授、日本経済新聞「エコノミスト360°視点」）。
 
『感染防止』と『経済の回復』とは、決してトレードオフの関係なのではなく、
徹底した強固な『感染防止』は、人の命や健康を守るだけではなく『経済回復』にも結びつく、
まさに『両立する』関係だという指摘なのです。
 
いずれにしても、コロナ渦中～コロナ後も含めて、
経営者はじめ多くのビジネスパーソンにとっても
『感染防止』と『経済回復』との両立が、大きなキーワードになってくると思います。
 
既存のビジネススタイル・既存のビジネス風習にとらわれることなく・・・というよりも、
『感染防止』と『経済回復』とを両立していく道を、悩みつつも考え続けていくことが、
新しいビジネススタイル・新しい社会風土を生み出していくように思えてなりません。
 
　　　　　２０２０年５月１２日
　　　　　　　　　　　　　　山　　崎　　泰