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ご褒美は逆効果!? ~アンダーマイニング効果~

21.01.24 | ビジネス

これが終わったら大好きなあのスイーツを食べよう!
仕事を頑張っている部下を労うために特別ボーナスを支給しよう!

このように「○○をしたらご褒美に○○」といった方法は、
ぱっと見ではモチベーションアップにいい方法のように思えます。

しかし、ご褒美をモチベーションに仕事に励もうとすると、
逆にやる気が出なくなる可能性もあり得ます。

やる気を出すためにご褒美を用意することで、かえってやる気を奪ってしまうことを
「アンダーマイニング効果」といいます。

今回はそんな「アンダーマイニング効果」についてご紹介します。

アンダーマイニング効果とは?

アンダーマイニング効果とは、「これをやっていると楽しい!」という満足感や達成感のためにやる気があったはずなのに、
一度ご褒美をもらうことで、その「ご褒美をもらうこと」が目的になってしまい、ご褒美なしではやる気がなくなってしまう心理現象です。

このような状態になってしまうのは、人が何か行動を起こすときの2つの意欲が関係しています。

それは「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」です。

 外発的動機づけとは?

 外発的動機づけとは、自分ではなく外部から与えられる「受動的」な動機づけです。

報酬をもらったり、罰則を設けられたりすることでもたらされる動機づけのことで、
外部から与えられる目的を達成するために頑張ろうとする意欲のことを言います。

例えば、「ボーナスが欲しいから営業成績を上げよう」といった意欲のことです。

 内発的動機づけとは?

 内発的動機づけとは、自分の内側から自発的に起こる「能動的」な動機づけです。

興味や関心をもとに生じる動機づけのことで、趣味や仕事などの内容そのものに面白さや充実感を覚えて頑張ろうとする意欲のことを言います。

例えばジョギングが趣味の人の「毎日ジョギングしたい」といった意欲のことです。

 一般的には内発的動機づけの方が集中力を高い状態で保ち、持続的に行えてよい結果を生みやすいと言われています。

しかし、内発的動機づけは賞罰が絡むなどちょっとしたことで外発的動機づけに変わってしまいます。

 内発的動機づけが外発的動機づけに変わって、自分でやろうとする意欲が薄れてしまうことがアンダーマイニング効果です。

 アンダーマイニング効果の具体例

 例えば、あなたが趣味で占いをしていたとします。
友達を占って楽しんでいると、あなたの占いがよく当たると評判になってきました。

そのうち友達の友達からお金を払うので占って欲しいとお願いされるようになり、得したような気持ちになりました。

いつからかお金をもらって占うことが当たり前になってきたあなたに、無料で占って欲しいとお願いする人が出てきました。

そのお願いをあなたはどう思いますか?

 友達を占うこと自体が好きで自発的にしていたことが、知らないうちに報酬がないとやる気がなくなってしまうかもしれません。

これがアンダーマイニング効果です。

 ビジネスに活かすには

 会社を継続的に成長させるためには、従業員に内発的動機づけを身につけてもらうのが効果的です。

しかし、従業員に対する接し方を誤ると、内発的動機づけが外発的動機づけに変化してしまう「アンダーマイニング効果」を引き起こしてしまう可能性があります。

 リチャード・ドシャームという心理学者の「自己原因性」という概念によると「人は自分で自分の行動を決めていると知覚している時には内発的に動機づけられるが、他者から統制されていると知覚している時には外発的に動機づけられる」とあります。

行動に対して外部から報酬をもらうことで、行動の目的が「報酬をもらうこと」に変わってしまい、報酬なしではやる気が出なくなってしまうのです。

最後に

 好きなことを仕事にするのは難しいと言われるのは、アンダーマイニング効果のせいなのかもしれません。

 楽しいという気持ちでやっていたはずなのに、それが仕事となり、お金が絡んでくると報酬に目が行ってしまうのも仕方がないことなのかもしれないです。

 初心に帰る、つまり、好きでやっていた頃のことを思い出すことができれば内発的動機づけへと変わり、やる気が溢れてくるかもしれません。

 アンダーマイニング効果は組織の運営だけでなく、自分自身のやる気の管理や、子育てにも使える考え方ですので、この記事が日々の行動を見直すきっかけになればと思います。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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