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税理士の佐藤です・・・名義預金と贈与税

12.03.13 | 所長通信

3月15日は確定申告書の提出期限。
会計事務所では一年で一番忙しいシーズンを終えて「やれやれ一息」と言うのがこの時期です。
さて、確定申告には贈与税の申告も含まれますが、祖父母が孫名義の預金を毎年コツコツと基礎控除(110万円)の範囲で作っていた場合の贈与税の扱いについてご存じでしょうか?

両親や祖父母が将来の相続に備えて自分の預金を、少しずつ子供や孫名義に換えているケースはよく見かけられます(このような預金を名義預金と言います)。
さてこの預金の相続税や贈与税の取扱いはどうなるでしょうか?















両親や祖父母が子や孫に贈与したつもりの預貯金については、相続税の申告財産として申告しない訳ですが、その名義預金が相続税の調査で見つかった場合には相続税の申告漏れとして指摘を受けるケースは少なくありません。
贈与契約は相互契約であり、あげる側と受け取る側の双方の意思確認が必要です。
特に「通帳も印鑑も祖父母が管理し孫はその存在も知らない」といったケースでは、贈与があったとは認められません。

こんな判例もあります。
 ある親が子供4人に毎年60万円(当時の基礎控除額)づつ贈与し続け合計4千万円にもなった。
その親が亡くなり相続税の調査が入り、この名義預金について問題になりました。
相続人である子供たちは
「この預金は非課税の範囲で毎年贈与されたものだから相続税の対象ではない」
これに対し税務署は
「通帳を管理していたのは親だし、口座からの現金の出し入れも親の印鑑で行われていたのだから、実質の所有者は親である」と両者は譲らず裁判となりました。

判決は「贈与税がかからないように非課税の範囲内で現金の贈与を続けたが、その管理、運営、払い戻しについては全て親が行っていたものであり、一方、子供はその名義が使用された他は預金の形成、管理、運営または使用に関与することはなかった(平成2年3月30日名古屋地裁判決)」として、贈与ではなく名義預金として相続税の課税となっています。



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