土地家屋調査士法人共立パートナーズ

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【共立測量】筆界と所有権界について

21.07.25 | オリジナル記事

筆界と所有権界について

1、筆界と所有権界

筆界とは
 表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する他の土地との間において、
当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及び
これらを結ぶ直線をいう。(不登法123)

→ よって未登記の土地同士であったり、
点でのみ接する場合には筆界は存在しないので、
筆界特定をすることができない点に注意が必要です。

所有権界とは
 所有者の利用状況や合意によって定められた線

→ 一致している場合がほとんどであるが、異なる場合があります。


筆界は公法上の境界
と呼ばれるため、所有者間では移動することができません

対して所有権界は私法上の境界と呼ばれ、所有者同士の合意によって、移動することができます

 よって自由に移動することができない筆界を所有権界と一致させるためには、
一度筆界を所有者間でご確認いただき、
筆界所有権界の間の土地を分筆して、所有権移転する必要があります。

→ 売買や分筆、地積更正登記には隣地所有者との境界確認書が必要なため、
原則隣地所有者と境界確認をしていただく必要があります。

 

では境界について隣地の方から同意を頂けない場合はどうなるのでしょうか?

2、筆界特定制度と筆界確定訴訟について

筆界特定制度

 土地の所有権登記名義人等が筆界特定登記官に対して申請されます。

→ 仮登記名義人用益権者、担保権者は所有権登記名義人等に含まれませんので、
代位して申請はできません

筆界特定は筆界特定委員と呼ばれる法務局から選任された土地家屋調査士等によって
過去の参考資料や現地の状況により、筆界を特定する制度です。

あくまで筆界を特定するためのものであって、
新たに筆界を形成するものではないことには注意が必要です。
ですので、筆界特定制度を利用して筆界特定がなされたからといって、

お隣の土地との間で筆界が確定するわけではありません

では筆界を確定させるにはどうすればよろしいのでしょうか。

筆界確定訴訟

 筆界特定によっても両者の同意が得られない場合は、
筆界確定訴訟という手続きによって筆界を確定するしかありません。

こちらは文字通り、訴訟ですので、判決という形で
筆界が必ず確定、形成されるのが特徴です。

→ 筆界特定制度や筆界確定訴訟
隣地との筆界を特定するためには便利な制度ではありますが、

期間が1年以上掛かる上、隣地の方との関係が悪化する恐れもありますので、
これらの手続きをする際には、土地家屋調査士にご相談の上、
慎重な判断が必要だといえます。



なにかご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 最後までお読みくださり ありがとうございました。
 小島 健

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