今月の労務ニュース(8月)
21.08.18 | 労働ニュース
●コロナ禍で首都圏から地方へ移住した人の7割がテレワーク(8月11日)
●フリーランス保護へ契約書作成義務拡大の方向(8月11日)
●公務員に不妊治療休暇(8月11日)
●年金積立金、株価回復で過去最高の194兆円 20年度(8月7日
●「過労死防止対策」を閣議決定 新しい働き方への対応を明記(7月30日)
●事業再構築補助金に「最低賃金枠」 最賃引上げを踏まえ、経産省が創設(7月30日)
●6月の雇用統計は小幅に改善 求人倍率が3か月ぶりに上昇(7月30日)
●有期雇用の無期転換 約3割が権利行使(7月29日)
●雇用保険料引上げを検討へ(7月28日)
●転職者が10年ぶりに減少(7月24日)
●ワクチン 職場接種分 8月中に供給(7月22日)
●不妊治療、保険適用の議論開始(7月21日)
●雇調金特例 年内延長(7月21日)
●雇調金 失業率を2.6ポイント抑制(7月16日)
●コロナ禍で首都圏から地方へ移住した人の7割がテレワーク(8月11日)
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内閣府の調査で、コロナ禍以降に首都圏の4都県から地方に移住した人のうち、7割以上がテレワークをしていることが内閣府のアンケートで分かりました。
今年2月にインターネットを通じて、東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県から移住した478人を対象に調査し、昨年4月以降に移住した215人のうち71.6%がテレワークをしていました。移住先は出身地に戻るUターンが60.9%を占めました。
●フリーランス保護へ契約書作成義務拡大の方向(8月11日)
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政府は、フリーランスで働く人の法的保護を強化するため、業務発注時に契約書面の作成を義務付ける事業者の対象を拡大する方針を固めました。新型コロナウイルス禍でフリーランスの収入源が減っている中で、口約束の仕事を一方的にキャンセルされるなどのトラブルが相次いでいる背景があります。来年の通常国会に関連法案を提出する方向で調整します。
●公務員に不妊治療休暇(8月11日)
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人事院は10日、月給・ボーナスの支給水準の勧告にあわせて、国家公務員の労働環境に関するさまざまな改善策を内閣と国会に報告。常勤・非常勤問わず不妊治療のための有給休暇を新設し、非常勤職員にも有給の配偶者出産休暇や育児休暇を設けるよう、人事院規則を改定して取り組むとしました。また、男性公務員がとれる育児休業を原則1回から2回にする法改正が必要との意見も提出しました。
●年金積立金、株価回復で過去最高の194兆円 20年度(8月7日)
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厚生労働省が6日に公表した2020年度の公的年金の収支決算で、会社員らが加入する厚生年金と自営業者らが加入する国民年金の合計の積立金が、時価ベースで過去最大の194兆5,186億円となったことがわかりました。株価の上昇で公的年金の運用が好調だったことが全体を押し上げ、2019年度から36兆6,058億円増えました。内訳は、厚生年金が34兆8,031億円増の184兆1,927億円、国民年金が1兆8,027億円増の10兆3,259億円。厚生年金の保険料収入は新型コロナで収入が減った事業者向けに納付猶予の特例制度を設けたことなどが要因で5,584億円減少しました。
●「過労死防止対策」を閣議決定 新しい働き方への対応を明記(7月30日)
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政府は、過労死・過労自殺防止のために国が進める対策方針を定めた「過労死等防止対策大綱」の改定版を閣議決定しました。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「感染症への対応や働き方の変化による過労死などの発生を防止する必要がある」として、医療従事者・公務員らの労働時間短縮の推進や、テレワークなどの新しい働き方における対応策について明記。勤務間インターバルの導入企業を2025年までに15%以上にするとの数値目標も掲げました。
●事業再構築補助金に「最低賃金枠」 最賃引上げを踏まえ、経産省が創設(7月30日)
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経済産業省は、最低賃金の引上げの影響が大きいとみられる中小企業を対象とする補助金の受付けを始めました。新規事業に取り組む中小企業などに向けた「事業再構築補助金」に「最低賃金枠」を創設。業況が厳しく、最低賃金近傍で雇用している従業員が一定割合以上の事業者について、補助率を3/4(通常は2/3)に引き上げるとともに、他の枠に比べて採択率を優遇します。
受付けは9月21日まで。
●6月の雇用統計は小幅に改善 求人倍率が3か月ぶりに上昇(7月30日)
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厚生労働省は、6月の有効求人倍率(季節調整値)について、1.13倍(前月比0.04ポイント上昇)だったと発表しました。上昇は3か月ぶり。有効求人数は横ばいも、新型コロナウイルスのワクチン接種後に求職活動を始めたいという動きが強まって有効求職者数が減ったことで数値が上昇したとみられます。
また、総務省によると、同月の完全失業率(季節調整値)は2.9%(前月比0.1ポイント低下)で、こちらも3か月ぶりに改善しました。
●有期雇用の無期転換 約3割が権利行使(7月29日)
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厚生労働省は無期転換ルールに関する実態調査を公表し、2018年度、19年度に権利が発生した人のうち権利を行使したのは27.8%だったことがわかりました。
権利を行使せずにそのまま働いた人は65.5%でした。また、このルールについて、「知っている内容がある」と答えた有期雇用社員は38.5%でしたが、「何も知らない、聞いたことがない」と答えたのは39.9%でした。同省は今後、対策やルールの見直しが必要かどうかを検討していくこととしています。
●雇用保険料引上げを検討へ(7月28日)
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厚生労働省は、来年度に雇用保険料率の引上げを検討していることを明らかにしました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で雇用調整助成金の支給決定額が4兆125億円となり、これが続けば年度末には財源不足となるためです。秋にも具体的な議論を開始し、来年の通常国会で雇用保険法改正法案を提出する見通しです。
●転職者が10年ぶりに減少(7月24日)
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厚生労働省が公表した2021年度版「労働経済の分析(労働経済白書)」によると、昨年の転職者数は319万人(前年比32万人減)で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により10年ぶりに減少したことが明らかになりました。転職者のうち、前職を辞めた理由として「より良い条件の仕事を探すため」を挙げた人は113万人(同14万人減)だった一方で、「人員整理・勧奨退職のため」を挙げた人は12万人(同4万人増)でした。
●ワクチン 職場接種分 8月中に供給(7月22日)
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河野太郎規制改革相は21日の記者会見で、すでに申請済みの新型コロナワクチンの職場接種分について、8月中に供給を始めることを発表しました。
自治体向けの供給分についても10月上旬までに12歳以上の国民8割が2回接種できるようにするよう方針を示しました。
●不妊治療、保険適用の議論開始(7月21日)
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厚生労働省は、不妊治療への保険適用の範囲拡大に向け、具体的な治療や検査の対象範囲の議論を始めました。体外受精などにも適用範囲を広げる。不妊治療利用者の自己負担を軽減し、少子化対策につなげます。年内にも具体的な範囲を決め、来年度からの実施を目指します。
●雇調金特例 年内延長(7月21日)
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政府は新型コロナウイルスに関連した雇用調整助成金の特例措置を12月末まで延長します。10月からの最低賃金の引き上げに配慮した企業の負担軽減策で、時給を引き上げる中小企業を対象に、所定労働日数の要件をなくし、10月から3カ月間助成金を出します。
●国保収支 19年度は赤字(7月17日)
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厚生労働省が発表した国民健康保険の2019年度財政状況によると、実質収支が936億円の赤字に転落しました。収入は前年度比1.2%減の24兆436億円、支出は0.6%減の24兆741億円で、加入者数は92万人減の2,660万人でした。
●雇調金 失業率を2.6ポイント抑制(7月16日)
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政府は2021年版「労働経済の分析」(労働経済白書)で、雇用調整助成金などの支援策で、新型コロナウイルスによる2020年4~10月の完全失業率の上昇を2.6ポイント程度抑えて月平均2.9%にとどめた、と分析しました。