税理士法人大沢会計事務所

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育児・介護休業法等の改正 来年4月から段階的に

21.12.02 | 人事・労務お役立ち情報

令和3年の通常国会で育児・介護休業法等を改正する法律が成立しましたが、その主要な改正規定は、令和4年4月から段階的に施行されることになっています。
令和3年9月末には、この改正法に関する改正省令と改正指針も公布され、改正規定の詳細がかなり明確になりました。

<育児・介護休業法 改正規定の項目と施行期日>

施行期日 令和4年4月1日
① 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化
② 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

施行期日 令和4年10月1日
③ 出生時育児休業(産後パパ育休)の創設
④ 育児休業の分割取得

施行期日 令和5年4月1日
⑤ 育児休業取得状況の公表の義務化(従業員数1,000人超の大企業が対象)


☆この中で特に確認していただきたいのは「① 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化」です。企業に新たに生じる義務となります。ポイントをご紹介します。

<雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化のポイント>

◆育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の義務化(令和4年4月施行)

育児休業(令和4年10月からは、出生時育児休業を含む)の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主は次のいずれかの措置を講じなければなりません。

① 育児休業に関する研修の実施
② 育児休業に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
③ 自社の労働者の育児休業の取得事例の収集・提供
④ 自社の労働者へ育児休業制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
※複数の措置を講じることが望ましいとされています。


◆妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務化(令和4年4月施行)

本人又は配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業(令和4年10月からは、出生時育児休業を含む)の制度に関する次の事項の周知と休業の取得意向の確認を、個別に行わなければなりません。
なお、取得を控えさせるような形での個別周知と意向確認は認められません。

周知事項
① 育児休業に関する制度
② 育児休業の申し出先
③ 雇用保険の育児休業給付に関すること
④ 労働者が育児休業期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

個別周知・意向確認の方法
① 面談 ② 書面交付 ③ FAX ④ 電子メール等 のいずれか
注.①はオンライン面談も可能。③④は労働者が希望した場合のみ

令和4年4月から、企業に上記のような新たな義務が生じます。

☆社員に対して個別周知をするという義務もありますが、これを履行するために企業側が育児休業等の内容をじゅうぶん理解しておかなければなりません。

★また、この育児・介護休業法等の改正により、ほとんどの企業において、就業規則(別規則としている育児介護休業規程など)の改定が必要となります。

不安がある場合は、気軽にご相談ください。

社会保険労務士  大沢 富士夫

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