日高税務会計事務所

個性を活かして人を育てよう!?

22.01.17 | 所長メルマガ

室内で観葉植物等を栽培する場合、水や光が必要で温度の管理等も大切です。いい加減に行って枯らした経験がある方もいらっしゃるでしょう。植物の種類によって適切な水や光の加減も異なります。多すぎても少なすぎてもいけません。時期によって変えることもあります。また、肥料等の量や時期、植え換えの時期等が適切で無ければ、成長できなかったり、花が咲かなかったりもします。我流ではなかなか上手くいきません。ある程度の知識と経験が必要となります。

新人の教育等にも共通したところがあります。「褒める」のと「叱る」のでは、最近は褒める方が大事だと言われることが多いようです。しかし、間違ったことを正すためには、叱ることも重要です。昔から信賞必罰が大切だと言われますが、ほったらかしては人はなかなか育ちません。意欲のある自立した従業員は滅多にいません。だから、自主性に任せると本人に都合の良く、会社(組織)にとって好ましくない方向に育つ可能性があります。もちろん、褒めると叱るは、どちらも必要であり、その加減は人によって異なるのが正しい。もし、経験が乏しく自信の無い人を叱ってばかりいると、萎縮してしまいます。だから、この場合は意図して褒めることも必要です。これとは対照的に叱られることに耐性があり、あるいは叱られるとやる気が出るタイプの人もいます。この場合は、叱ることに躊躇はいらないでしょう。
 褒められるとすぐ調子に乗る人もいます。このタイプには褒めるのは控え目にする必要があります。 また、自分が自信あると感じるポイント以外を褒めても嬉しくは感じず、むしろ、下心があって上手く利用しようとしていると疑うような人もいます。この場合、褒めると響くスイッチを注意深く観察して探り、タイミング良く適度に褒める必要があります。ところで、褒めるのは、結果なのか、過程なのか、その両方なのかとの意見があります。ビジネスでは結果が大事だから、その結果を褒めるのが普通だと思われますが、次の頑張り等を期待して過程を褒めることが必要な場合もあります。褒めることによって、良い状態が続くのならば、その行動は正しいと言えます。ルールなどないのです。
 ところで、人は自分の体験を基に、人のことを考え行動しがちです。「叱る・褒める」についても、自分が悔しかった体験、辛かった体験、嬉しかった体験、自信のついた体験などの過去がベースとなっていることが多いものです。そして、教育や指導等で、自分と考え方や気質性格が異なるタイプにあまり接してこなかった場合、良かれと思って相手に望ましくない「叱る・褒める」を行うことがあります。そうすると、こちらが意図したものと違う反応が返ってきます。最悪、教育がパワハラと受けとめられる場合もあるでしょう。だから、相手にとって最適と思える方法やタイミング、強弱などを調整すべきでしょう。
 以前、新人に軽めの量や質の仕事を与え、慣れるに従って量や要求する質を引き上げたところ、不満を言われたことがありました。標準となる業務の対象や内容、期間等の提示が、最初になされていなかったことが不満の原因となっていたようです。最近は人手不足で、企業側が即戦力として使える人材に巡り会えることは難しくなっています。採用して、こちらのやり方に合う人が残れば良いと言う考えは通用しません。仕事において、社員の良いところが多く出るように、また、悪いところは目立たないように仕向けるのは会社のするべき役割です。だから、社員を大切にしようと努力する会社の社員は良く育っていくし、そうでないとなかなか育たないものです。 優秀な人材が採り難い中小零細企業こそ教育が大切です。

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