日高税務会計事務所

継続は力なり!?

22.03.16 | 所長メルマガ

似たような意味の言葉に「石の上にも三年」と言うものもあります。新たなことを始めるには大変なエネルギーが必要な場合が多く、成果がハッキリする前に止めてしまうことがあるので、それを戒める意味で使われていると思います。これが正しいものか、また、その理由を考えてみましょう。

① 習慣化するため。これには大抵時間が掛かる。ものにより2週間から三か月あるいはそれ以上必要。
 ② プロ(専門家)として、基本だけで無く、応用が利くようになるためには経験が必要だから。
 ③ 効果が出るまでのタイムラグがあるから。例えば、運動しても直ぐには筋肉が付かない。
 ④ 閾値を超える必要がある。変化が起こるにはある程度の力や量が必要。それまでは全く変わらない。
 ⑤ 最初はうまく行かずつまらない。次第に出来るように成れば、面白くなり興味が湧いてくるもの。
 ⑥ 一定の時間や資源を投入すると、途中で止めるのがもったいないと思えるようになるから。
 ⑦ 組織的でスムーズに行うには人間関係の構築が大事。これには時間が掛かるもの。
 ⑧ 「感」が育ち、「コツ」が解るのにも時間がかかる。
 ⑨ 準備や補給等周辺関連分野まで学ぶには時間がかかる。
 ⑩ 新製品サービス等は自社の強みだけで簡単に生まれない。市場やライバルの動向にも研究がいる。
 ⑪ 誰もが同じようなことを考える。その上で差別化を図るには努力が必要。粘ったもの勝ち。

 少し考えただけでも色々出てくる。しかしながら、ルーティンワーク(作業や創造性が低い仕事)は対象とすべきでない。個人差はあるが、いずれ出来るようになるものだし、体得すれば改善などほとんど考えない。つまり、続けることがレベルアップに繋がるものが対象だろう。新人で早く一人前になることだけを考える人と、業界人で一流を目指す人では行動の質が違ってくる。一人前は二流だと言い切る者もいる。緩い目標水準のものを、あまり頭を使わず一定時間トレーニングで習得することと、高い目標を達成するため苦しい努力を続け、途中何度も挫折しかけたのを何とか克服し、やがて成果を出せるようになったこととは同等に扱うべきではない。「成功するまで続けたから成功した」のであり、「諦めない限り失敗は無い」のである。「成功に到らない現象を体験している」のであって、「うまくいかない原因を解決すれば必ず成功する」と信じる人しか新たな成功は生み出せない。
 経営者や組織のリーダーは挑戦しなければならない。状況は刻々変化するもの。同じことを繰り返しているだけではライバルとの競争に負け、やがて衰退するものである。挑戦を継続するのである。これに対し、現場レベルでは一定の質の仕事を継続して行うのである。そもそも対象が異なるのである。
 一般社員までが経営者マインドで仕事を行う会社は素晴らしいが、その前に経営者が経営者本来の仕事をしっかり行うべきだろう。多くの中小零細企業の経営者はプレイングマネージャーとして社内で一番優秀な現場業務を行うが、経営者業務は後回しとなっていないだろうか考えてみる必要がある。

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