フォーカス会計事務所

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フォーカスだより vol.19【『桜の木の下には』】

22.03.16 | フォーカスだより

『フォーカスだより』は、スタッフからのメッセージを配信いたします。
息抜きにお読みいただけるような内容ですので、ぜひご覧ください。

こんにちは。
フォーカス会計事務所の藤木です。

3月中頃になり、日に日に厳しい寒さも和らぎ、春の陽気を感じられるようになりました。
最近の暖かい日差しに後押しされて、早い桜の開花を楽しんでおります。

桜といえば、皆さんは、「桜の木の下には死体が埋まっている」という話を聞いたことがあるでしょうか。桜は美しくて華やかな花であり、お花見で楽しむという人も多いかもしれません。
しかし、そんな華麗なイメージとは裏腹に、桜の木の下には死体が埋まっているという話は多くの場所で語られる都市伝説のようになっています。
それではどうして、桜に対してそのような話が生まれたのかご存知でしょうか。

これは、教科書にもよく載っている『檸檬』の作家として有名な梶井基次郎の短編小説『櫻の樹の下には』という小説が元になっていると言われています。

この小説は、あまりにも見事な桜の美しさを前に、桜があれほど美しく咲くのには何か理由があると不安を抱く主人公が、その美しさの対極にある死体が木の下に埋まっていると想像することで、自らの心を落ち着けるという内容です。

美しさと妖しさは表裏一体であり、圧倒的な美しさは多くの犠牲の上に成り立っている。
目に見える部分はとても美しく、そればかりが印象に残ってしまいがちではあるが目に見えない根の部分にはどんな物語が眠っているかわからない。
こんなにも美しいのだから根も美しいと考えることもできるが、それでは何も惹かれない、見えない部分にヒズミがあるから中毒性が生まれ、独特のニオイを放っている。

ただ美しいだけでなく、そこにある桜の暗部をわずかなページ数で描いた、梶井基次郎の代表作のひとつになっています。
この小説を読んでみると、桜に対してのイメージや感想が、少し変わってくるかもしれません。

もちろん実際の桜の木の下には死体が埋まっていることはありませんし、すでに桜は多くの人の心を引き寄せる人気の花です。
しかし、そんな桜にも不遇の時代があったことをこの機会に知って、改めて桜をじっくりと眺めてみるのもいいのではないでしょうか。

藤木

 



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