税理士法人SKC

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ロシアの失策

22.03.29 | 堺俊治の独り言的情報

ロシア(というよりプーチン大統領というべきでしょうか)の今回の侵略はもはや敗戦模様です(3/28現在)。プーチン大統領としては、自らの権威を守るうえで、敗戦を認めるわけにはいかないでしょう。しかしこのまま戦闘を続けるとロシア軍の前線の若い兵士たちは、悲惨な結果を迎えそうです。

 プーチン大統領は、バイデン大統領が「米国は軍を出さない」と言ったことで、それならキーフを直ぐに陥落させられると思ったのでしょうか、この発言の直ぐ後にロシア軍は国境を越えました。このバイデン大統領の発言に、当初は皆がなんと馬鹿なことを言ったのだと、ロシアの侵略を誘発したのも同然だと批判を浴びせました。しかし今になって考えると、私はこれは意図的にやった発言ではなかったかと、疑念を持っています(しかし米国が、ウクライナ軍がこれ程抵抗出来ると思っていたとも考えられませんが)。それに、プーチン大統領はロシア軍の兵力を過大評価していたかもしれませんし、侵攻の戦術も、まるで80年以上前のナチスドイツのポーランド侵攻と同じようなやり方です。ネットに掲示されるウクライナ軍からやられっぱなしのロシア軍の機甲部隊や戦闘機の動画を見ていると、とても近代化された軍隊という感じがしません。
 ロシア軍の兵站は、この様な長期間の消耗戦の備えではなかったはずです。事実、侵攻前には、ロシア軍からの報道では、「キーフは、数日で陥落させられる」と豪語していました。米国や英国の軍事専門誌によれば、ロシア軍の兵站はここ数日で底をつくという分析です。もう既に多くの前線では食糧が尽きたが補給がないという状態のようですし、弾薬も尽きてしまいそうな状態の様です。ロシア軍の前線の若い兵士達(大半は20歳そこそこの年齢の兵士の模様)は、飢えと暖房のない寒さとで悲惨な状態だとの報道も真実に近いのではないでしょうか。そしてもう一つプーチン大統領の思惑が大きく外れた出来事は、ウクライナ軍の抵抗でグスグスしている間に、世界中の先進国が続々とロシアに強い制裁を加えるし、ウクライナに世界中からの同情が集まるし多大な援助が集まるという、これまでに無い様な先進各国が結束する事態や、世界中を敵に回すという事態となったことでしょう。
 このウクライナの情勢は、皆さんも感じてある様に、今後の日本や台湾に大きな影響があることだと思います。仮にロシア軍が数日でキーフを陥落させ、傀儡政権を樹立していたとしたら、「米国は手を出さない様だから我々も中華民族の偉大なる復興」のためにと、同様の侵攻が始まっていたかもしれません。しかし、ウクライナの現状から学ぶとすれば(学んで欲しいと切に願いますが)、今回の先進国の結束した制裁は、大きな抑止力として感じているのではないでしょうか。私はEU各国の制裁は足並みが揃わず効果は薄いだろうと思っていましたし、バイデン大統領が調子に乗ってアジるのも反発が出そうだと思っていましたが、意外なことにドイツも(メルケルだとこうはいかなかったかも)しっかり結束しています。私はこの結束した制裁効果は、これからの、国際紛争の抑止力として有効に働きそうな気がしています。しかし心配なことは、プーチン大統領が追い詰められて、細菌兵器や化学兵器を使ったり、まさかの核兵器を使うなんてことになることです(バイデンさん、あまり調子に乗って上から物言わない様に頼みますよ)。
 それから、憲法第9条さえ維持していれば日本は戦争にならないと未だに言い続けている皆さん方も、このウクライナの事態から学びましょうね。大した防衛力も無い、米軍も助けに来ないとなったら、さっさと降伏して逃げ出すということを学んだ方々もいた様ですが。

 もう一つ感じることは、今回の戦争の報道によって、民間人を標的にするのは戦争犯罪であることを、改めてしっかり確認できた方々は多いのではないでしょうか。私たちは戦後教育で、大東亜戦争において、日本軍は中国大陸で中華民族に対して多くの残虐・非道を繰り返し、戦争犯罪を繰り返したと教えられてきました。しかし今になってこの教育は、米国軍の日本全土を焦土と化すほどの空爆や原子爆弾による日本民族へのジェノサイドという戦争犯罪に目隠しをするために、南京で民間人30万人を虐殺した極悪非道な日本人などと過大に強調されたGHQの戦後対策の教育方針であったであろうことがよく見えてきます。

 これまで私たちが受けてきた教育やメディアの報道を、どこの誰が(政治勢力や世界企業など)、どのような目的で影響力を与え、あるいは支配してきたのかを、私たちはしっかり見定めて判断しなければ、気が付くと世界を思い通りにしたいと思っている勢力に操られてしまうことになりそうです。中国や韓国の反日教育・反日報道などは、傍から見ていると、時の権力に利用されていることはよく見えますが、我々も、より巧妙に誘導されていることが数々あるはずです。ウクライナの進行中の戦争もメディアの報道が全てで、これが真実と思う前に、これも情報の一つと受け取る姿勢が求められているのではないでしょうか。

 

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