日高税務会計事務所

何故絞り込みが出来ないのか!?

22.04.13 | 所長メルマガ

中小零細企業は、大手に比べ「人・もの・金」の全てで弱い。だから、商品・分野・地域などをなるべく絞り込んだ(特化すること)ほうが良いと言われる。そうであっても中々実行されないのは、それなりの理由があるからだろう。これについて考えてみよう。

理由① 撤退は逃げ、失敗と思われ、かっこ悪いから。
絞り込みをすれば当然、今まで手がけたものの内、止めるものが出てくる。そうすると、「継続は力なり」や「ヒーローは逆境から逃げない」などの思い込みや信念から外れることになる。
理由② 一旦止めると再開することは難しいから。
止めるとそれまでに費やしてきた努力は無駄になると考える。現実に分散する力を得意なところに集中させるための一時退避の場合もあるだろう。再開するに当たっては、一から始めるのでなく、それまでやってきたことの経験等は十分活かされるはず。多少の回り道は仕方が無い。
理由③ 絞り込むとリスクが高くなるから
一つのことを深掘りするより、むしろ、浅く広くのほうが簡単に思えるから。「下手な鉄砲も数打てば当たる」かも知れないが、資源の少ない弱者には不利だと気づかない。「背水の陣で望む」だけの勇気がないからが本当の理由だろう。
理由④ 大きいことは良いこととの思い込みのため。
小さくても強いや少数精鋭は大変だと考える。だから、知る人ぞ知る企業より、目立つより多くの人が知っている企業の方が良いとの勘違いをする。また、多角経営にも憧れる。
理由⑤ 本来積極的に変わりたくないと思う深層心理があるから。
理屈で解っても、自信のない人は直ぐに行動しない。だから、変われない。追い詰められたり、同業の後追いでは手遅れとなる。このことを知ってか、大手は安心して物量作戦で攻めてくる。本当は積極的に変わる中小企業は脅威でもある。しかしながら、この行動が機敏な者は、大抵「変わり者」扱い。「気狂い」。「やり手」とも呼ばれ極めて少数。こうした企業が大きく業績を伸ばす。
理由⑥ 一旦絞り込んだら後には戻れないと言う思い込みがあるため。
立て直しのための集中だから上手くいけば、周辺に広げることも可能なはず。事業再編成で休止したものの出直し、再開もあり得るだろう。
理由⑦ 同業に優れた会社があるため、名乗りをあげる自信が無い。
探せば自分のところより優れた会社が見つかるかもしれない。しかし、相手が専門特化を名乗っていないならチャンスです。お客様は専門家の優劣などに詳しくないからです。また、最初から優秀なことはありえません。たまたま、お客様の要望が多かったため、専門と言われるようになった例も数多くあります。もし、世間の認知度が低ければ、後から名乗りを上げても、この場合、同業者はライバルでは無く、むしろ普及発展の同志と考えることが出来ます。

 これ以外も、たくさんの理由が考えられる。繁盛している、パン屋・ケーキ屋・飲食店など得意な商品に特化(メニュー絞った)したらお客さんが増え利益が増した例は数多い。何でもやる・出来るよりは、他にない特徴のあるものをやるほうがウケるものである。「○○(商品・サービス)と言った□□(会社名)」と思われるようになれば強い。お客様の選択肢の第一候補(一番手)に上がるのを目指すこと。
とにかく、絞り込みは自信が無いと難しいかも知れないが、成功すれば強くなれる。やった者勝ちです。

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