桂川会計(桂川淳税理士事務所) 

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「とにかく採用」からの脱却(1)…補填型求人の悪循環

14.12.07 | 業種別【歯科医業】

勤めていた歯科衛生士が、結婚するので突然辞めることになった。
「求人広告を出せばある程度の応募は来るだろう」と高を括っていたら、思った以上に現実は厳しく、退職日は迫る。
でも応募は来ない。
焦ったあまり、とにかく来た応募者を即採用にしたのだが…。

このような経験をお持ちの院長は多いのではないでしょうか。

クリニック経営、次の一手

多くの歯科医院では、突然の退職を想定して余剰スタッフを抱えておくことは経営的に困難です。
そのため、退職者が出ることで空いてしまう穴をとにかく埋めようという補填型の求人、とにかく誰でも採用できればよいとする応急処置的な求人になってしまいがちです。

「とにかく採用」したスタッフが運よく優良な人材であったなら何の問題もありません。
しかし、穴を埋め切れずにさらなる補填が必要となったり、結局長く続かず新たな採用を行ったり、といったような事態に陥るケースも多く見られるようです。

採用は求人活動であると同時に求職活動でもあり、求人側の意識と求職側の意識は相呼応しています。
職場環境・福利厚生・教育等に意識が高い求人には、そこで働きたいという意識の高い応募者が集まり、意識の高い応募者は自己管理能力の高いスタッフに育ち、職場環境が改善され、応募者の質が上がっていきます。

逆に考えると、「とにかく採用」求人への応募者のほとんどは、「とりあえずどこでもいいから勤められればいい」という「とりあえず就職」の意識でいることが多いものです。
するとまたすぐに次の補填が必要となり、やがて常勤採用からパート・非常勤採用に切り替えるなどで職場環境は低下。
応募者の質がさらに下がるということになりかねません。

医院サイドの都合を優先した補填型求人が招く悪循環の螺旋(らせん)から逃れるには、まず医院側の意識を変えることが必須となります。


[プロフィール]
倉田竜典(くらた・りゅうすけ)
フォーユーメディカル株式会社 アットベネフィット事業部
医院経営の視点をもったWEBコンサルタントとして、集客だけでなくWEBによる採用・求人にまで踏み込んだコンサルティングで数多くのクリニックをサポート。現在は、その活動を医療介護福祉分野へと広げ、人材戦略コンサルタントとして活躍中。
医療・介護従事者のための福利厚生サービス「@Benefit
医院スタッフにも大企業社員並みの福利厚生を提供し、さらに医療・介護分野だけの特別プログラムをプラスした福利厚生アウトソーシングサービス。

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