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コロナ禍で需要が拡大! 矯正歯科を専門とするためには?

22.11.01 | 業種別【歯科医業】

コロナ禍により、マスクの着用が日常的になったことで、歯列矯正をはじめる人が増えています。
ニーズの高まりにあわせ、診療科目として『矯正歯科』の標ぼうを検討するケースもあるのではないでしょうか。
現在、矯正歯科医としての専門性を示すものとして、『認定医』や『専門医』など複数の認定資格が存在します。
今回は、患者が診療所を選ぶ際の指標の一つにもなる矯正歯科の資格について説明します。

矯正歯科には高い専門技術や知識が必要

日本では歯科医師の免許を所持している歯科医であれば、矯正歯科治療を行うことができます。
しかし、虫歯や歯周病などの治療を行う一般歯科と、歯並びや噛み合わせを治す矯正歯科は、治療の内容が大きく異なります。

歯科矯正は専門性が高いため、通常は、歯科大学を卒業してから歯科矯正について学び、専門的な技術や知識を身につけることになります。

一般に歯科矯正は治療期間が長く、コストもかかるため、患者は医院選びに慎重にならざるをえません。
そのような患者の選択を助けるものの一つが、矯正歯科に関する資格です。

たとえば、日本矯正歯科学会には、認定医・指導医・臨床指導医(旧専門医)制度があり、矯正歯科治療を考えている患者が歯科医院を選ぶ際の指標になります。

歯科医院のホームページでは、集患を意図した宣伝や自院の優位性をアピールする広告は認められていませんが、矯正歯科の認定医や指導医などの表記は、医療広告の限定解除要件を満たしていれば掲載することができます


統一された専門医制度の準備が進められている

現在、一定の条件を満たした歯科医に、認定医や指導医などの認定資格を授与している協会や学会は、以下の3団体です。

・日本矯正歯科学会(JOS)
・日本歯科矯正専門医認定機構(JBO)
・日本成人矯正歯科学会(JAAO)

たとえば、JOSの認定医になるには、学会の指定する研修機関で5年以上矯正歯科研修を修了し、矯正臨床に関する論文を学術刊行物で発表する必要があります。

また、JBOには認定医制度がなく、専門医と指導医の資格のみとなります。
JBOの専門医になるには、矯正専従医としての経験や研修が必要な上に、100症例以上の矯正治療の中から、審査委員に指定された5症例について審査を受け、合格する必要があります。
矯正医を指導する立場にある指導医は、さらに厳しい条件があります。

このように、それぞれの団体で厳しい独自基準が設けられており、審査に合格した歯科医が認定医や専門医を名乗ることができます。

しかし、複数の団体や基準が存在することで、患者の混乱を招いてしまう可能性もあり、2019年には専門医制度を運営している3団体の合意のもと、統一した矯正歯科の専門医制度の提供を目指す『日本矯正歯科専門医機関』が設立されました。

現在、新しい矯正歯科専門医制度の認定に向けて準備が進められていますが、国から認証を受けるためには、さまざまな審査を受ける必要があり、結果が出るまでにはもうしばらく時間がかかる見込みです。

日本矯正歯科専門医機関が発足した翌年の2020年には、第1回矯正歯科統一専門医試験が実施されました。
国によって新しい専門医制度が認証されれば、統一された矯正歯科の専門医が誕生することになります。
矯正歯科に関する資格取得を考えているのであれば、今後の動きを注視しましょう。


※本記事の記載内容は、2022年11月現在の法令・情報等に基づいています。

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