税理士法人大沢会計事務所

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年末調整Q&A

22.11.02 | 税務・経営お役立ち情報

今年も年末調整の時期がやってきました。

年末調整とは、給与をもらっている方が給与支払時に源泉徴収された税額の年間の合計額と、1年間の確定した所得で計算した所得税額を一致させる精算手続きをいいます。

国税庁が年末調整について多く寄せされる質問や誤りやすい事項をHPでまとめていますので、そのなかのうち疑問に思われる方が多いと思われる質問をご紹介したいと思います。

(問)当社の従業員Aは、国内で離れて暮らす両親を控除対象扶養親族として「給与所得者の扶養控除等申告書」に記載しています。別居している親族を控除対象扶養親族としてもよいのでしょうか。

(答)別居している親族であっても所得者本人の扶養控除の対象とすることは可能ですが、その場合、別居している親族に対して常に生活費、療養費等の送金が行われているなど、所得者本人と生計を一にしている必要があります。
(注)扶養控除の計算を正しく行うため、銀行振込や現金書留により送金している事実を振込票や書留の写しなどの提示を受けて確認することをお勧めします。なお、国外に居住する親族について扶養控除等の適用を受けるためには、当該親族に関する「親族関係書類」及び「送金関係書類」が必要となります。

(問)いわゆる共働きの世帯で、扶養親族に該当する20歳の子がいる場合、扶養控除の適用については夫婦のいずれかで受けることとなりますが、所得金額調整控除の適用についても夫婦のいずれかで受けることとなるのでしょうか。

(答)同じ世帯に所得者が2人以上いる場合、これらの人の扶養親族に該当する人については、これらの人のうちいずれか1人の者の扶養親族にのみ該当するものとみなされるため、いわゆる共働きの世帯の場合、1人の扶養親族に係る扶養控除の適用については、夫婦のいずれかで受けることとなります。
 他方、所得金額調整控除の適用については、扶養控除と異なり、いずれか1人の扶養親族にのみ該当するものとみなされませんので、これらの人はいずれも扶養親族を有することとなります。そのため、いわゆる共働きの世帯で、扶養親族に該当する年齢23歳未満の子がいる場合、夫婦の双方で所得金額調整控除の適用を受けることができます。

(問)親族等が契約者となっている生命保険契約等の保険料又は掛金について、生命保険料控除の対象とすることができますか。

(答)控除の対象となる生命保険料は、給与の支払を受けている人自身が締結した生命保険契約等の保険料又は掛金だけに限らず、給与の支払を受ける人以外の人が締結したものの保険料又は掛金であっても、給与の支払を受ける人がその生命保険料を支払ったことが明らかであれば、控除の対象とすることができます。
 例えば、妻や子が契約者となっている生命保険契約等であっても、その妻や子に所得がなく、給与の支払を受ける夫がその保険料又は掛金を支払っている場合には、その保険料又は掛金は夫の生命保険料控除の対象となります。ただし、この場合にも、その生命保険契約等の保険金の受取人の全てが給与の支払を受ける人又はその配偶者その他の親族(個人年金保険契約等である場合は、年金の受取人の全てが給与の支払を受ける人又はその配偶者)でなければなりません。
(注)保険料を負担していない人が、満期や解約又は被保険者の死亡により、その生命保険金を受け取った場合、贈与税や相続税の対象となります。

(問)従業員が、生計を一にする親の後期高齢者医療制度の保険料を口座振替により支払った場合、年末調整で、その保険料を社会保険料控除の対象とすることができますか。

(答)従業員が口座振替により支払った、生計を一にする親の負担すべき後期高齢者医療制度の保険料については、保険料を支払った従業員に社会保険料控除が適用されます。
 なお、年金から特別徴収された保険料については、その保険料を支払った者は年金の受給者自身であるため、年金の受給者に社会保険料控除が適用されます。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/

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