税理士法人大沢会計事務所

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年末調整Q&A②

22.11.17 | 税務・経営お役立ち情報

前回の大沢会計事務所通信に続き、今回も年末調整について疑問に思われる方が多いと思われる質問と回答を国税庁HPからご紹介したいと思います。

(問)当社の営業課長Aは、本年10月31日に定年退職する予定になっていますが、就職先が決まっていないことから、当分の間、雇用保険の失業等給付を受ける予定です。
 Aの再就職が決まっていないことから、当社としては、Aの在職中の給与について年末調整を行いたいと思いますが、差し支えありませんか。

(答)年の中途で退職した人については、一定の場合を除き、年末調整の対象とはなりません。
 なお、年の中途で退職した人のうち年末調整の対象となるのは、①死亡により退職した人、②著しい心身障害のために退職した人で、その退職の時期から本年中に再就職が不可能と認められ、かつ、退職後本年中に給与の支払を受けないこととなっている人、③12月に支給期の到来する給与の支払を受けた後に退職した人、④いわゆるパートタイマーとして働いている人などが退職した場合で、本年中に支払を受ける給与の総額が103 万円以下である人(退職後本年中に他の勤務先等から給与の支払を受けると見込まれる人を除きます。)です。
 Aさんについては、上記①から④までのいずれにも該当しませんので、Aさんの在職中の給与について年末調整を行うことはできません。
(注)失業等給付は非課税とされています。

(問)従業員Aから質問があったのですが、Aが扶養している母親の収入の内訳が、パート収入70万円、遺族年金80万円である場合、扶養親族の判定上、この遺族年金はどのように取り扱われるのでしょうか。

(答)扶養親族や控除対象配偶者などに該当するかどうかを判定する場合の合計所得金額には、所得税法やその他の法令の規定によって非課税とされる所得は含まれないことになっています。
 したがって、非課税所得である遺族年金を含めないところで扶養親族の判定をすることになりますから、Aさんの母親の場合はパート収入の70万円だけを基に判定することとなり、給与所得控除額55万円を控除した後の合計所得金額は15万円となりますので、扶養親族に該当することになります。

(問)当社では、12月分の給与を12月16日に支給し、その際に年末調整を終えました。その後、12月24日に従業員Aから、Aの父親が控除対象扶養親族に該当することになった旨の申し出がありました。この場合、Aは扶養控除を本年分の所得税について受けることができるのでしょうか。

(答)控除対象扶養親族に該当するかどうかは、その年の12月31日の現況で判定することになりますので、ご質問の場合には、Aさんは本年分の所得税についてAさんの父親に係る扶養控除の適用を受けることができます。
 ご質問の場合、年末調整が終わっているとのことですが、Aさんから「給与所得者の扶養控除等異動申告書」を提出してもらえば、翌年1月の「給与所得の源泉徴収票」を交付する時まで年末調整の再計算を行うことができます。
 なお、年末調整の再計算によらず、Aさんが確定申告によって、その減少することとなる税額の還付を受けることもできます。

(問)年末調整を終えた後に、従業員Aから12月31日に子が生まれたとの申し出がありました。この生まれた子については、扶養控除の対象にはならないと聞きましたが、Aの給与の収入金額が850万円を超える場合、所得金額調整控除の要件の対象とし、年末調整をやり直してもよいのでしょうか。

(答)年齢16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象とはなりませんが、所得金額調整控除においては、年齢23歳未満の扶養親族を有することが要件の一つとされているため、年末に子が生まれた場合、この要件を満たすこととなります。
 年末調整において所得金額調整控除の適用を受けようとする場合、年齢23歳未満の扶養親族を有するかどうかなどの判定は、「所得金額調整控除申告書」を提出する日の現況により判定することとなりますが、年末調整後、その年の12月31日までの間に従業員等に子が生まれ、所得金額調整控除の適用要件を満たし年末調整による年税額が減少することとなる場合、その年分の源泉徴収票を給与の支払者が作成するまでに、その異動があったことについてAさんからその異動に関する申出があったときは、翌年1月の「給与所得の源泉徴収票」を交付する時まで年末調整の再計算を行うことができます。この場合においても「所得金額調整控除申告書」の提出は必要ですので、ご注意ください。
 なお、年末調整の再計算によらず、Aさんが確定申告によって、その減少することとなる税額の還付を受けることもできます。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/

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