税理士法人大沢会計事務所

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生前贈与しても相続税が課税される

22.12.10 | 税務・経営お役立ち情報

毎年税制改正大綱が12月中旬に公表されますが、様々なメディアから今年の税制改正で相続税と贈与税について改正があるのではないかという報道がされています。
具体的には、相続税の対象となる生前贈与された財産についてその対象年数を広げることが調整されている、といわれています。現行の制度がどのようになっているかを含めてご説明したいと思います。

相続税は死亡した人(被相続人)の財産を相続したときや、遺言によって財産を取得したときに、取得した人が納める税金ですが、生前贈与された財産も一定の場合、相続税の課税対象となります。

相続時精算課税制度という制度を利用する場合は、制度を選択した贈与者からの贈与財産について選択をした年分以降全て相続税の課税対象となりますが、この制度を利用しない場合でも、相続等により財産を取得した人が、死亡した人(被相続人)から相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡日までの間)に贈与によって取得した財産は、相続税の課税対象となります。

この死亡日前3年という期間を、今回の税制改正によって7年に延ばすこととなるのではないかと報道されています。

生前贈与は、将来発生することが予想される相続税を減少させるひとつの方法として広く行われています。110万円の基礎控除の範囲内で贈与をする(贈与税はゼロ)だけでなく、110万円を超える財産を贈与し贈与税を申告納税しても将来予想される相続税の税率よりも低い税率で資産を移転すれば、相続税対策となります。

相続税の課税対象となる財産が増えることでこの改正の対象となる方は増税となりますが、対象となる期間が延びることで早めに贈与を行う人が増えるという影響があるのではないかと思います。

税制改正大綱がまだ公表されていませんので、実際にどのような改正となるかは明らかではありませんが、相続税対策として生前贈与を考えている方はまず今年の税制改正大綱が明らかになってから贈与をすることを考慮してもいいのではないかと思います。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/

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