宮内法律事務所

宮内法律事務所

有料職業紹介事業者のご利用の際の注意点

23.02.01 | お役立ち情報

最近、相談が増えている有料職業紹介業者の利用に関する記事です。

ここ最近、顧問先企業様から有料職業紹介業者の利用に伴うトラブルの相談が頻発しています。

 有料職業紹介事業とは、 有料職業紹介事業とは、営利を目的とするか否かにかかわらず、職業紹介に関し 手数料又は報酬等の対価を受けて行う職業紹介事 業をいいます。 有料職業紹介事業は、職業安定法(以下「法」といいます。)第 32 条の 11 の規定 により求職者に紹介してはならないものとされている職業(具体的には港湾運送業務に就く職業及び建設業務に就く職業がこれに当たります。) 以外の職業について、 法第 30 条第1項の厚生労働大臣の許可を受けることによって、行うことができます。

 職業紹介にあたって、有料職業紹介事業者は、求職者から手数料を徴収することはできません。したがって、職業紹介事業者の利用に関する費用は、全て利用する企業側で負担することになります。この手数料については、厚生労働大臣に届け出を行う届出制手数料が多くの事業者で採用されています。雇用契約成立時の採用された人の理論年収(雇用契約の月給や手当などから計算される1年分の支給額)をもとにして紹介手数料を定めます。

 例えば紹介された求職者が、理論年収400万円で採用されたとします。あらかじめ基本契約で紹介手数料を30%と定めていた場合には、紹介手数料は120万円となります(別途消費税の負担があることがほとんどです。)。

 紹介手数料の相場は25%~35%であり、この付近に手数料を設定している業者が多いと思われます。40%を超えると届出が受理されないことが多いことがその理由となっているようです。

 人材紹介業者を利用した場合でも、採用は、利用する企業の責任と判断に基づいて行われます。労働者都合により短期(6ヶ月以内くらいが多いようです。)で退職に至った場合には、返金などがされる場合が一般的ですが、別の人材を紹介するという方法で補填するという契約を行う業者もいます。

 採用難から有料職業紹介業者を利用される企業が多いかと思いますが、決して安い費用ではない上、採用企業にとって不利な条項が入っている契約書なども多く見受けられます。

 無登録ではないかと思われる業者と取引をしてしまったケースや返金の条件を巡ってトラブルになるケースなど、様々なトラブルがありますので、契約前には十分な注意が必要です。

 また、人材紹介者の利用によって自社に募集自体のノウハウが蓄積しないというデメリットもあります。 

 有料職業紹介利用を検討される事業者の皆様は、事前に専門家にご相談されることをお勧めいたします。

 当事務所でも、有料職業紹介の利用に関するご相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

TOPへ