桂川会計(桂川淳税理士事務所) 

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政府統計で読み解く歯科医院経営(1) 年代別医療費の推移

15.01.11 | 業種別【歯科医業】

政府では多岐にわたる統計調査を行っており、各省庁からは毎日のようにさまざまな統計資料が公表されています。
その中には歯科医療に関係するものも多く、それらを読み解くことは、漠然とした印象を明確な計画に変えていくための一つの基礎になります。
今回は、すでに常識といえる高齢者医療費の増加について、実際にどの程度のものなのかを政府統計で見てみましょう。

クリニック経営、次の一手

高齢者の医療費が増え続けています。
これは、厚生労働省が昨年の12月に発表した「医療費の動向」調査を基に、「未就学者」「就学~64歳」「65歳~74歳」「75歳以上」の歯科医療費推移を作成してみました。
これを見ると、平成25年における65歳以上の高齢者歯科医療費は約9,800億円で、実に全体の37%を占めていることがわかります。
ここ3年間での歯科医療費全体の伸び率は4.8%の増加となっており、世代別でみると「未就学者」1.9%増、「就学~64歳」0.4%減とほぼ横ばいであるのに対し、「65~74歳」は10.6%増、「75歳以上」は19.4%増となっています。
高齢者における歯科医療費の増加が全体に大きな影響を及ぼしていることがわかります。

表1・年代別歯科医療費の推移


次に、1人当たりの歯科医療費を世代別に見てみましょう。
同じ統計資料を基に1人当たりの年間歯科医療費を比べてみたところ、高齢者の1人当たり歯科医療費は「未就学者」の1人当たり歯科医療費の約3倍にもなることがわかります。
この2つの統計から、高齢者は1人から得られる診療報酬が高く、数も増加している層であることが、単なるイメージでなく明確な統計数値の情報として得られることができました。
今後の方向性を検討する材料の一つとしてみてはいかがでしょうか。

表2・年代別1人当たり歯科医療費の推移
 

[プロフィール]
倉田竜典(くらた・りゅうすけ)
フォーユーメディカル株式会社 アットベネフィット事業部
医院経営の視点をもったWEBコンサルタントとして、集客だけでなくWEBによる採用・求人にまで踏み込んだコンサルティングで数多くのクリニックをサポート。現在は、その活動を医療介護福祉分野へと広げ、人材戦略コンサルタントとして活躍中。
医療・介護従事者のための福利厚生サービス「@Benefit」
医院スタッフにも大企業社員並みの福利厚生を提供し、さらに医療・介護分野だけの特別プログラムをプラスした福利厚生アウトソーシングサービス。

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