税理士法人大沢会計事務所

税理士法人大沢会計事務所

教育資金の一括贈与非課税制度の改正

23.06.23 | 税務・経営お役立ち情報

祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度については、平成25年に制度が開始されてから約10年経過していますので、他の贈与税の非課税制度と比べると比較的利用者が多い制度ではないかと思います。
令和5年度税制改正で制度が3年延長され、制度の内容が一部改正されていますので、制度の概要と今回の改正についてご説明します。

非課税制度の概要
平成25年4月1日から令和8年3月31日までの間に、30歳未満の方(受贈者)が教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など)から書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合等に、受贈者が金融機関等に教育資金非課税申告書の提出をすることによりその贈与された金銭の価額のうち1,500万円まで贈与税が非課税となります。
贈与者が契約期間中に死亡した場合には、原則として、その死亡日における非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額のうち、一定の計算をした金額をその贈与者から相続等により取得したものとみなして相続税を計算します。ただし、受贈者が23歳未満である場合など、一定の要件を満たす場合には相続税の課税対象となることはありません。
また、教育資金口座に係る契約が終了した場合、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額があるときは、その残額は契約終了時に贈与があったこととされ、贈与税が課税されます。


制度利用のための手続き
この制度に対応している金融機関等で、教育資金口座の開設等を行ったうえで、教育資金非課税申告書をその口座の開設等を行った金融機関等の営業所等に、信託や預入などをする日(開設日)までに提出をします。


令和5年度税制改正について
令和5年度税制改正において、適用期限が令和8年3月31日まで3年延長されました。また、令和5年4月1日以後に資金を拠出した場合、以下の改正規定が適用されます。
①資金拠出日から教育資金管理契約の終了の日までの間に、贈与者が死亡した場合、その贈与者の死亡に係る相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときは、受贈者が23歳未満である場合であっても、その贈与者の死亡の日における管理残額(非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額)が相続税の課税対象となります。
②教育資金管理契約が終了した場合において、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額に暦年課税の贈与税が課される場合、特例税率ではなく一般税率によって贈与税を計算することとなります。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/

TOPへ