税理士法人大沢会計事務所

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インボイス制度の疑問点(設立と相続)

23.10.23 | 税務・経営お役立ち情報

今月から消費税のインボイス制度が開始されています。前回に引き続き、国税庁が公表しているQ&Aの中から会社設立と相続についてのQ&Aについてご紹介致します。


新たに設立した法人が事業開始(設立)と同時に適格請求書発行事業者の登録を受けることはできますか。

適格請求書発行事業者の登録を受けることができるのは、課税事業者に限られます。
新たに設立された法人が免税事業者の場合、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに、課税選択届出書を提出すれば、その事業を開始した日の属する課税期間の初日から課税事業者となることができます。
また、新たに設立された法人が、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書を、事業を開始した日の属する課税期間の末日までに提出 した場合において、税務署長により適格請求書発行事業者登録簿への登載が行われたときは、その課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます。
したがって、新たに設立された法人が免税事業者である場合、事業開始(設立)時から、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、設立後、その課税期間の末日までに、課税選択届出書と登録申請書を併せて提出することが必要です。
なお、新たに設立された法人が課税事業者の場合については、事業を開始した課税期間の末日までに、事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した 登録申請書を提出することで、新たに設立された法人等の登録時期の特例の適用を受けることができます。
免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30 日までの日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受ける場合、経過措置により、課税選択届出書の提出を要せず、課税事業者となることができます。この場合においても、登録申請書に「課税期間の初日から登録を受けようとする旨」を記載するこ とにより、事業を開始(設立)した課税期間の初日に遡って登録を受けたものとみなされ、課税期間の初日(登録日)から課税事業者となります。



適格請求書発行事業者の登録を受けていた親から相続を受け、事業を承継したのですが、適格請求書等保存方式において必要となる手続及び適格請求書発行事業者の登録の効力について教えてください。

①令和5年10月1日より前に死亡した場合

令和5年10 月1日から登録を受けることとされていた事業者が、令和5年10 月1日より前に死亡した場合は、登録の効力は生じません。したがって、相続により事業を承継した相続人が、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、登録申請書を提出する必要があります(相続人が既に登録申請書を提出していた場合を除きます。)。
なお、登録申請を行った事業者が死亡した場合は、相続人は、「個人事業者の死亡届出書」を提出いただきますようお願いします。
②令和5年 10 月1日以後に死亡した場合
令和5年 10 月1日以後に適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者が死亡した場合、その相続人は「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を提出する必要があり、届出書の提出 日の翌日又は死亡した日の翌日から4月を経過した日のいずれか早い日(※)に登録の効力が 失われます。
また、相続により事業を承継した相続人が、適格請求書発行事業者の登録を受けるためには、相続人は登録申請書の提出が必要となります(相続人が既に登録を受けていた場合を除きます。)。
なお、相続により適格請求書発行事業者の事業を継承した相続人の相続のあった日の翌日 から、その相続人が適格請求書発行事業者の登録を受けた日の前日又はその相続に係る適格 請求書発行事業者が死亡した日の翌日から4月を経過する日のいずれか早い日までの期間については、相続人を適格請求書発行事業者とみなす措置(※)が設けられており、この場合、被相続人の登録番号を相続人の登録番号とみなすこととされています。
登録申請書の提出から登録通知を受けるまでには、その審査等に一定の期間を要しますので、相続により事業を承継した相続人が適格請求書発行事業者の登録を受ける場合は、お早めに登録申請書をご提出ください。
(※)相続人を適格請求書発行事業者とみなす措置の適用がある場合、その措置の適用がある期間は被相続人の登録は有効です。

公認会計士・税理士 大沢日出夫
https://www.osawakaikei.jp/

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