宮田総合法務事務所

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相続における特別縁故者のお話

15.12.18 | 暮らし・人生にお役に立つ情報

少子高齢化の今日、相続が発生しても、その方の配偶者や子、兄弟、
甥姪等が最初からいない、または既に亡くなっている等の事情により、
亡くなった方の法律上の相続人がいないケースが増えてきています。

そんなの時に、法律上の相続人ではないけれども、
特別な事情があれば、遺産を受け取ることができる制度が
あります。

それが「特別縁故者」という制度です。




内縁の妻や事実上の(養子縁組をしていない)養子といった
法律上親族にあたらない特別縁故者は、
実際に被相続人と深い係わりがあっても、原則的として
遺産を受け取ることはできません。

但し、相続人の存否が不明の場合に、家庭裁判所により
選任された「相続財産管理人」が被相続人(亡くなった人)の
債務を支払うなどして清算を行った後、家庭裁判所の相続人を
捜索するための公告で定められた期間内に相続人である権利を
主張する者がなかった場合、家庭裁判所が相当と認めるときは、
被相続人と特別の縁故のあった者の請求によって、その者に、
清算後残った相続財産の全部又は一部を与えることができる
とされています。
これが「特別縁故者」の制度です。

下記のとおり、特別縁故者の事例は様々ですが、もし下記の事例に
該当しそうな方で、亡くなった方に相続人がいないがプラスの遺産が
残りそうだというケースがあれば、そのままですと遺産はすべて
国庫に帰属してしまいますので、“ダメ元”でも特別縁故者の
申立をされるのもよろしいかと思います。


【特別縁故者の例示】

・ 生計をともにしてきた内縁の妻
・ 被相続人の事実上の養子・養女
・ 被相続人の老後の看護をつくした従兄弟の子やめいの子
・ 被相続人と生計をともにして世話をしてきたおじやおば
・ 被相続人と生計をともにしてきた亡息子の嫁
・ 独居の被相続人の生活を長年にわたってサポートしてきたご近所の方



【家庭裁判所の手続きの大まかな流れ】

特別縁故者が被相続人の財産を取得するには、まず利害関係者として
家庭裁判所に相続財産管理人選任の請求をする必要があります。

そして、家庭裁判所の手続において相続人が発見されず、
清算後相続財産が残っていれば、家庭裁判所に対し
財産分与の申立てをすることになります。

家庭裁判所が財産分与を認めれば相続財産の全部又は
一部を取得することができます。



【申立手続き】

●申立人 :特別縁故者
●申立期間:相続財産管理人による相続人捜索の
公告期間満了後3ヶ月以内
●管 轄 :被相続人の最後の住所地
●手数料等:申立人1名につき収入印紙800円と郵便切手
(裁判所によって異なります)
●必要書類:申立人の戸籍謄本・住民票

※裁判所は、相続財産管理人の意見を聴かなければならず、
審判に対しては、申立人及び相続財産管理人は
即時抗告をすることができます。 

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