金融機関から融資を受ける時のポイントは?
15.06.09 | コラム
事業を始めたばかりのときは、借入金はなんとなく恐ろしいと思ってしまうことがあります。
事業を拡大させるためには、設備投資や運転資金でどうしてもお金が必要なもの。
しかし、ビジネスが軌道に完全に軌道に乗るまでは、その必要なお金を稼ぎ出すのは中々難しいことが多いので、そのお金を借入金で賄うことが必要になります。
今回は、事業を成功させるカギを握る金融機関からの借り入れについて、そのポイントをご紹介いたします。
では、さっそく、ポイントをご紹介していきましょう。
1 いつ借り入れするべきかを考える。
とりあえず事業がきちんと回っているときは、別に借金までしなくてよいと思ってしまいがちですが、事業がうまく行っている時こそ、借り入れを考える時です。
なぜなら、事業が自然と成長するに連れて、資金のニーズは高まってくるからです。
例えば、設備投資や人員を拡大するための資金など、ビジネスを拡大する投資資金が必要になってきます。
また、売上が伸びていくと自然と仕入も多くなり、それだけ運転資金が多くかかるようになります。
このような資金ニーズは、いざお金が足りなくなってから銀行に走るのでは遅いことが多いのです。
今はまだ大丈夫だが、この先はどうかな?という見方で資金ニーズを考えて、早めに決断・行動することが重要です。
2 借り入れの目的をはっきりさせる。
借入金は、目的別に大きく2つに分けられます。
設備投資のための借入と、運転資金の借入です。
例えば機械を買うとか、備品などを買うというような具体的な使い道が決まっているものを設備資金といいます。自動車のオートローンなども含まれます。
そのような具体的な使い道が決まっていない借入を、運転資金といいます。
ただ、借入金は何かニーズがあって借り入れするのですから、こちらも使い道を全く決めないということはありません。
金融機関では、借入の申込の時に設備資金として借りるのか、運転資金として借りるのかを聞かれます。
一般的に設備資金の方が借入金の上限額が高く、返済期間が長くなっています。
設備資金の場合は、何に使うのかを具体的に計画する必要があります。製造機械などを買う場合には、なんという機械を買うのか、それがいくらなのかをはっきりさせる必要があります。
借入の申込の際に、購入の契約書が必要になる場合もあります。
運転資金を借りる場合は、そのような明確な使い道は必要ありませんが、どのようなことに使うのかということは考えておかなければなりません。
3 いくら借りるのかを検討する。
設備資金の場合は、その設備の金額が借入金になります。
運転資金の場合は、具体的な使い道が決まっていないことが多いため、いくら借りたらよいか悩むところです。
この答えは、乱暴な言い方をすると、「できるだけ多く」借りるのがよいです。
もちろん、収益からみて、常識的に考えて絶対返せないような金額を借りてはいけません。
金融機関も貸してくれませんが、そもそもそのような申し込みをすることも信用を無くしてしまうので、してはいけません。
しかし、常識的に返済できる範囲であれば、手元に多くの運転資金がある方が安心して経営に打ち込めますし、何かの理由で現金が必要になったときに慌てることもなくなります。
また、少なく借りて後日また資金が必要になった場合に、改めて借入を起こすのはなかなか大変でもあります。
運転資金は先を見越して、多めに借りるようにするとよいでしょう。
4 返済計画はどう考えるべきか。
返済期間をどう考えるか。
これも乱暴な言い方をすれば、「できるだけ長く借りる」ということになります。
その方が返済額が少なくて済み、事業のキャッシュフローに与える影響が少なくて済むからです。
返済期間が長くなると金利は高くなることが多いですが、今のような低金利時代、その影響はあまりありません。
とはいえ、毎月いくら返済していくのかはしっかり計画する必要があります。
返済計画を考えることは、いくら借りられるか、ということでもあります。
設備資金にしろ運転資金にしろ、返済のあてとなるお金(返済原資)は、その事業から得られる利益(税引き後)の金額になります。
したがって、1つの目安は税引き後の利益できちんと返していけるか、がポイントになります。
この利益の金額は、将来(返済するとき)の利益の金額ですから、今現在は利益が返済額に不足でも、将来きちんと収益を上げれば返していけることになります。
つまり、返済できるだけの利益を将来上げられるか、どれくらいの利益を上げられるかが、借入金の金額をいくらにするかを決めるといえます。
同時に、借り入れをするということは、将来利益を出します、と宣言することでもあります。
金融機関に借入を申し込む際には、事業計画の提出を求められます。
その事業計画こそ、将来利益をきちんと上げて、借入金をお返しします、という宣言になるのです。
そしてこの事業計画は、きちんと借入金を返済できるだけの利益を生み出せるものでなければなりません。
また、金融機関は事業計画書をみて、嘘がないのか、融資が返してもらえるのかを判断するので、それなりに説得力があるものでなければなりません。
金融機関が「これなら貸せる」と思える事業計画書を作ること、これも重要なポイントといえます。
今回は、金融機関から借り入れを考える際に検討するべきポイントを、簡単にご説明しました。
次回、金融機関が納得する事業計画書の書き方のポイントをご紹介したいと思います。
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