矢ノ目税理士事務所

ボールペンは固定資産?!

15.07.21 | トピックス

資産には、一時に経費に落とせる資産と、期間の経過とともに少しずつ経費にしていかなければならないものがあります。
そのラインは10万円未満なの?30万円未満なの?と曖昧な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はその判断基準について解説します。

1.概要
減価償却資産は、大きく分けると有形固定資産と無形固定資産に分かれます。
有形固定資産は、車、机、棚など形あるもので、無形固定資産はパソコンソフトなど形のないものをいいます。

2.資産計上と経費処理のボーダーライン
法人では、10・20・30万円未満でそれぞれ規定があります。

これを見ると、30万円未満の資産を買えば一時に経費にできるのだから、10・20万円未満の規定はいらないのでは?とお思いになるかと存じます。しかし、それぞれ適用できる要件が違うため、別の規定によって上限が設けられているのです。
適用要件は以下の通りです。
①10万円未満  中小企業者・大法人ともに一時に経費にできる
②20万円未満  中小企業者・大法人ともに3年で均等償却できる
③30万円未満  中小企業者であること、かつ、青色申告法人であると一時に経費にできる

30万円未満の規定は、青色申告法人である中小企業者(資本金1億円以下の法人その他一定の法人)に限られた特典のようなものです。
よって資本金1億円超の法人は10・20万円未満の規定しか適用することはできません。
また、青色申告法人でない場合にも30万円未満の規定は適用することはできません。

3. 10万円未満及び30万円未満の固定資産は経費にしないこともできる?!
たとえば、100円のボールペンを購入します。
10万円未満なので、当然一時に経費にできます。
この「できます」というのが面白いところで、しないことが原則なのです。たった100円のボールペンでも、固定資産にするのが原則で、10万円未満の規定があるから一時に経費にすることができるのです。
(実務上いちいち100円のボールペンを固定資産台帳に載せて、インクがなくなったら固定資産台帳から除却して、とやっている会計事務所はないと思いますが)
日々勉強していくなか、こういうおもしろいな~と思える法律に出会うとやる気が出ます。
今後もおもしろい税法を紹介していければと思います。

TOPへ