和田正雄税理士事務所

確定申告!個人事業主の節税ポイント≪経費編≫

13.12.20 | オリジナル記事【個人事業主】

個人事業主の皆さま、
確定申告の申告期限が迫ってまいりました。
今年の確定申告の申告期限は3月16日(月)です。
そこで節税のポイント≪経費編≫を紹介します。
ぜひ節税の参考にしてください。

(個人事業主の税金とは?)
個人事業主が負担する税金は、下記のものがあります。  
 ・所得税  
 ・個人住民税  
 ・個人事業税  
 ・国民健康保険料(税)
 ・消費税 など
ここでは、所得税の節税について紹介します。
所得税の節税をすることにより結果的に、個人住民税、個人事業税、国民健康保険料
なども連動して少なくなります。


(所得税の納税額とは?)
実際の所得税額の計算は、次の計算式になります。


収入-必要経費=所得  

所得-所得控除※=課税所得


課税所得×税率※=所得税額


所得税額-税額控除※=納税額


「所得控除」とは、代表的なものとして扶養控除、配偶者控除、社会保険料控除、
医療費控除などがあります。
「所得税の税率」は、超過累進課税といって所得が高い人ほど税率が上がる
仕組みになっています(5%~40%)。
「税額控除」とは、代表的なものとして、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
などがあります。
「所得税額」をおさえるためには、「課税所得」をおさえなければならず、
そのためには「必要経費」と「所得控除」を大きくする必要があります。


(節税ポイント)

≪経費編≫
①消耗品の購入と30万円未満の固定資産を購入する
1個あたり10万円未満の消耗品(事務用品、雑貨、備品など)は、
全額経費になります。
また、10万円以上のものでも30万円未満の固定資産については、
購入した年に全額経費になります。
こちらは青色申告をしていること、別途明細書を添付することが条件となり、
限度額は総額300万円までです。
たとえば、事業用のパソコンを20万円で購入したとします。
通常の減価償却の計算をした場合、パソコンの耐用年数は4年なので
20万円÷4年=5万円が毎年の経費となります。
この特例を使うと、購入した年に20万円全額が経費になります。
大きな買い物をするときは儲かっているときが多いので
その年の節税効果は大きいです。


②固定資産を購入する場合、購入時期をしっかり考える
固定資産(上記30万円未満の特例を除く)を購入した場合、
その年に経費になるのは減価償却費のみです。
減価償却費の計算(定額法)は、
取得価額÷耐用年数×月割(使用した月分/12か月)
たとえば、12月に新車の車を300万円で購入してもその年に全額経費になる
わけでなく、初年度は 300万円÷6年×1/12ヵ月=41,666円 
しか経費にできないのです。
これを1月に購入していたら300万円÷6年×12/12ヵ月=500,000円
経費にできたのです。
よって、固定資産の購入時期はしっかり考える必要があります。


③固定資産の修繕、修理をする
店舗、事務所、自動車、機械装置などの事業用固定資産の修繕、修理は
一定の条件で全額経費になります。
この修繕、修理によって資産価値を上げるものだとその部分は経費とならず
固定資産になり、減価償却費分だけしか経費は認められません。
ポイントはその費用の性格が原状回復(買った時の状態まで戻す)であるか
どうかです。
外壁の塗り直し、内装の張り替え、タイヤやブレーキの交換、事故の修理などは、
全額修繕費(経費)として認められるでしょう。


④家族または配偶者に給与を支払う(青色事業専従者給与)
「専従者給与」とは、家計を一緒にして暮らしている家族に払う給与のことです。
この給料は通常経費になりませんが、青色申告をしていて一定の要件を満たせば
全額経費になります。
ちなみに白色申告の場合は、配偶者86万円、配偶者以外の家族50万円が
限度額です。
要件として
 ・年齢が15歳以上であること(その年の12月31日時点)
 ・勤務実態があること(現場の業務でなくても経理関係業務、顧客の電話対応、
  スケジュール管理などでも可ですが、専ら他の仕事で稼いでる場合は認め
  られません)
 ・「青色事業専従者に関する届出書」を納税地の税務署に提出していること   
    提出期限は青色専従者給与を算入しようとする年の3月15日(その年の
     1月16日以後、新たに事業を開始した場合や新たに専従者がいることと
      なった場合にはその日から2カ月以内)です。
 ・上記の届出書に記載する給与の金額の範囲内で支払われたものであること
 ・労働の対価として相当であると認められる金額であること


⑤家賃、水道光熱費
「自宅兼事務所」のように「事業」と「プライベート」を兼用している場合、
事業用の部分だけが経費として認められます。
賃貸家賃は、事業用スペースの面積を基準とします。
たとえば、2DKの間取りのうち、1部屋を事業用に使っていれば約30%
と決めます。
水道光熱費は、便宜的に家賃の按分割合と同じにしてもよいでしょう。
上記はあくまで一例ですので自分の状況に応じた「合理的な割合」
で計算してください。


⑥接待交際費
事業に関係する者(取引先や外注先など)に対する接待費、飲食代、お中元や
お歳暮、お祝い金、香典などをいいます。
気をつける点は2つあります。
1つはプライベートのものとの区別を明確にすることです。
対策としては、領収書の余白に「誰に」対するものであるかをメモ書きするのが
よいでしょう。
もう1つは、お祝い金、香典などを現金で渡す場合、当然領収書はないと思います。
領収書がないから認められないわけではなく、出金伝票に記入して案内状などを
一緒にしておきましょう。  

⑦交通費
事業に関する電車代、高速代、宿泊費などです。
電車代で領収書が出ない場合は、出金伝票またはメモなどでも問題ないでしょう。


⑧車輌関係
事業で自家用車を使用している場合、車輌関係の費用も「事業」と
「プライベート」で使う比率で按分計算します。
比率は、月または週でどのくらい事業用として使用しているかで決めます。
 ・ガソリン代
 ・駐車場代
 ・車検、修理代
 ・自動車税、保険料 など

 
いかがだったでしょうか。今回は「個人事業主の節税ポイント」の≪経費編≫を
紹介しました。
次回は≪所得控除編≫をテーマにお届けします。


記事提供:和田正雄税理士事務所

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