Easy to Live & Work株式会社

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失敗は「できない」ことを知るために

15.10.02 | ビジネス【人的資源】

ラグビーW杯に出場している日本代表が、強豪の南アフリカから白星をつかんだ。最終的にどのような成績で大会を終えても、彼らの戦いぶりは称賛に値するだろう。 

W杯で24年ぶりの勝利をつかんだチームには、当然のことながら優れたリーダーがいる。オーストラリア出身のエディ・ジョーンズ(55歳)ヘッドコーチだ。 

選手たちが「エディさん」と呼ぶ彼は、ピッチの内外でさまざまな改革を進めていった。そのなかから、チームを変えた最大の要因を挙げるとすれば、「意識改革」にある。

日本人には謙譲の美徳がある。自分より年上の人、実績のある人を前にすると、遠慮がちになる人は多い。そこで「オレが、オレが」という意欲を出すと、生意気と見なされる。 

スポーツやビジネスのシーンでは、控え目な態度がマイナスに働きかねない。「自分にはまだ、この仕事は早いですから」と決めつける態度は、責任から逃れることと同意である。 

その仕事が「早いのか」、つまり「ふさわしくないのか」を決めるのは、本人ではない。同僚であり、上司である。だとすれば、リーダーは「トライすることに価値がある」とのひと言とともに、部下の背中を押したい。できることと、できないことがはっきりしなければ、そもそも限界を見極められないからだ。 

欧米出身の外国人社員がいるならば、彼らのメンタリティも組織の刺激剤としたい。「成功したことがないから諦める」のではなく、「まだ達成していないからやってみる」という外国人の前向きな精神性は、ラグビー日本代表にも持ち込まれているものである。 


スポーツの視点からみる人的資源 


[プロフィール] 
戸塚 啓(とつか・けい) 
1968年、神奈川県生まれ。法政大学法学部法律学科卒業後、雑誌編集者を経てフリーのスポーツライターに。新聞、雑誌などへの執筆のほか、CS放送で欧州サッカーの解説なども。主な著書に『不動の絆』(角川書店)、『僕らは強くなりたい~震災の中のセンバツ』(幻冬舎)。 

[記事提供] 

(運営:株式会社アックスコンサルティング)

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