和田正雄税理士事務所

相続財産を減らすには生前贈与がベスト!≪連年贈与編≫

14.01.17 | オリジナル記事【相続】

将来相続税を納める必要がある方において、
数ある相続税対策のなかでも、最も基本的で
比較的容易に実行できる方法が、
「生前贈与」を活用した節税方法です。
「生前贈与」の考え方は、生きているうちに
できるだけ多くの財産を相続人などに移転し、
相続時の財産を減らしておくというものです。

 

生前対策のリスクを知り、無理のない計画を


相続税対策は、生前のできるだけ早い時期に着手し、
時間をかけて行うのが基本です。
期間が短いとそれだけ無理が生じますし、
相続開始直前の対策は効果を生じない場合もあります。
下記ではいろいろな相続税対策を紹介していますが、
あなたの資産状況や家庭事情にあった無理のない
方法を選び、上手に活用してください。



(贈与税とは)

贈与とは、贈与者が受贈者に対し、
双方の合意のもとに財産を無償で与えることをいいます。

贈与税とは、贈与があったときに、財産をもらった人(受贈者)に
課税される税金です。
また、贈与税は、相続税を補完する税金として、
相続税より高い税率が設けられています。

 
(贈与税の計算方法(暦年課税)は?)

1年間の贈与財産の合計額-基礎控除額(110万円)=基礎控除後の課税価格   

基礎控除後の課税価格×速算表の税率-速算表の控除額=贈与税額

【計算例】500万円の贈与を受けた場合
 500万円-110万円=390万円
 390万円×20%-25万円=53万円


(連年贈与で着実に財産を減らす)

1度に多額の財産を贈与すると重い贈与税がかかります。
そこで財産を小分けにできるだけ多くの人に繰り返して行うのが
生前贈与の王道です。
下記のケーススタディのように繰り返して贈与する方法を連年贈与といいます。

贈与税には年間110万円の基礎控除がありますので、
この範囲内での贈与なら、無税で財産を移転することができます。

しかし、贈与税を支払ってでもスピードアップで贈与した方が
有利な場合もあります。
贈与税は、基礎控除後の課税価格200万円までは10%の税率ですので、
310万円までは最低税率で贈与することができます。 


《ケーススタディ》

Yさん(60歳)には妻と2人の子どもがおり、2人の子どもにそれぞれ1人ずつ孫がいる

現在の財産 3億円

推定相続人 妻、長男、長女(法定相続分どおりに相続)

     


(連年贈与の注意点は?)

上記のケーススタディのように連年贈与は簡単な方法ですが、
それだけに次の点に注意しないと最初の年に定期金を贈与する意図があったと判断され、
多額の贈与税が課税されるおそれがあります。

① ×現金で渡している

 →銀行振込を利用して証拠を残す

② ×プレゼントのつもりで、受贈者に内緒で積み立てている

 →受贈者に贈与の事実を伝える

③ ×贈与者が銀行口座を開設し、通帳を保管している

 →受贈者自身が口座を作り、通帳と印鑑を管理する

④ ×毎年の同じ時期に一定額を振り込んでいる

 →贈与の時期をずらし、金額にも変化をつける

なお、法定相続人に対する相続開始前3年以内の贈与は
相続財産に取り込まれてしまうため、
連年贈与はなるべく元気で早いうちに始めるのがポイントです。


(まとめ)
いかがだったでしょうか?
今回は、相続税対策のうちの生前贈与の「連年贈与」について
ご紹介しました。
次回は、生前贈与の「相続時精算課税制度を利用した贈与」
についてご紹介します。


記事提供:和田正雄税理士事務所

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