空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例
16.05.31 | 税制改正
平成28年度税制改正で創設されました『空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例』について解説してまいります。
平成28年度税制改正で『空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例』が新しく創設されました。
従来から自分が住んでいる家屋又は家屋と土地を、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売る場合、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円控除できる制度がありましたが、これに加え相続した空き家を売却した場合にも、一定の条件を満たせば譲渡所得の『3,000万円の特別控除』が適用されます。
□適用要件
①相続開始直前まで被相続人が住んでいた(老人ホームに入居した場合は不可)
②昭和56年5月31日以前に建築されたもの(マンション等区分所有は対象外)
③譲渡時までずっと空き家である(事業の用、貸付けの用、居住の用に供していない)
④相続開始以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること
⑤売却金額が1億円以下である
⑥建物を取り壊さずに譲渡する場合は、現行の耐震基準を満たしている
上記の要件を満たしていれば、相続により取得した空き家の譲渡についても、『3,000万円の特別控除』の適用が受けることができます。
【具体例】相続した家屋を取り壊して、土地を譲渡する場合
・譲渡価額 5,000万円
・除却費用 200万円
・取得費 不明(譲渡価額の5%で計算)
(1) 本特例適用なしの場合
(5,000万円-5,000万円×5%-200万円)×20%=910万円
(2) 本特例適用ありの場合
(5,000万円-5,000万円×5%-200万円-3,000万円)×20%=310万円
⇒600万円税金が減ることになります。
この他にも必要な添付書類や、その他の特例との併用の可否など本特例の適用を受けるための注意事項がございますので、詳細をお知りになりたい方は弊事務所までご相談下さい。