有限会社 サステイナブル・デザイン

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○○○カラーの時代

16.07.13 | オトク情報

ジャーナリスト山根一眞さんの名著「メタルカラーの時代」(1993)。
製造業や巨大建設現場で活躍する最先端の技術者をとりあげたドキュメンドで、
後のTV番組「プロジェクトX」(2000-2005)を先取りするような内容でした。

メタルカラーというのは、
・事務職のホワイトカラー(白襟)
・現業職のブルーカラー(青襟)
に対する山根さんの造語で、「輝く襟」という意味。

ホワイトカラー主導のバブル経済がはじけた後、
日本経済の原点というか、原動力である「工業力」を
担う人々の「価値」にあらためて目を向けさせた1冊でした。

それから20数年、今、あらためてその「価値」を見直す必要があるのは・・・
どの「カラー」(色ではなく、職種)でしょうか?

選択肢は、①ホワイト、②ブルー、③メタル。
その、どれかというと・・・実は、そのいずれでもないように思います。

では何カラーなのか?

うまく命名できたら流行語大賞にノミネートされるかもしれません。

答えに行く前に、前号の記事に引き続き、事実を確認しておきたいと思います。

今、とくに求人倍率が高い=人手不足が深刻なのは、対人接客を必要とする業種です。
2016年5月の新規求人数増加率が高かった5業種を並べてみると、
それがはっきりと見て取れます。

教育,学習支援業
宿泊業,飲食サービス業
情報通信業 
卸売業,小売業
医療,福祉

これらの業種は、、、

現業職ではあるものの、製造業や建設業の現場での働き方とは異なり、ブルーカラーとはいいにくい。
デスクワークもあるものの、事務職の働き方とは異なり、ホワイトカラーとはいいにくい。
知識技能を使いこなすものの、ハードの技術者というわけではないので、メタルカラーとはいいにくい。

1990年代前半、実体のないバブル経済がはじけた後だからこそ、
それとの対比で、確固たる形と重さのある「メタル」という言葉の選び方が印象的でした。

同じお金でも、バーチャルマネーと金属製の硬貨の両極端、
無と有、虚と実の対比ですね。

2010年代も半ばの今、重視されているのは、そのどちらでもない、
「絆」や「おもてなし」という、やわらかな手応え・ぬくもりのある「関係性」のようです。

そこで。
もはや、ホワイトカラーやブルーカラーの語源である色とも襟とも関係なくなってしまいますが、
もしかしたら、「ハートカラー」といった表現が適しているのかも、
というのが私のアイデアです。いかがでしょう。

ほらこれ見て、と指し示すのは難しい。けれど、絶対にあるのがハート。

対人サービスですから、きめ細かく、高い接客能力が求められます。
機械やITシステムでの置き換えは、容易ではありません。
(これから、生産性が低いホワイトカラー職種がITシステムに置き換えられていくでしょう)

人がいないと仕事にならない・仕事を取れないという業種・職種です。
そこで、日本人が足りないなら外国人労働者、という流れも当然
出てきますが、言葉と文化の問題をクリアする必要があります。

書類やモノが相手ではないので、業務上、「素」の人格との切り分けが難しい面もあります。
「モンスター○○」と言われるほどのクレーマーがいなくても、ストレスがかかりやすい。
自分自身の知力・能力・体力だけでなく、「ハート」を使う仕事です。

一方、給与水準はというと、残念ながら、どちらかというと高い方ではない。
(中長期的には、必ず上がっていくはずです)

こういう仕事を長く続けるうえで重要なのは、働く人自身の「ハート」が良い状態に保たれること。
そのための仕組みがあり、適切に運用されている、という会社が選ばれる時代になってきています。

つまり、ブラック企業の真逆、ホワイト企業です。

参考)東洋経済オンライン記事
新入社員に優しい「ホワイト企業」トップ300
15年最新版「新卒3年後定着率」を読み解く
http://toyokeizai.net/articles/-/63579

上記の記事では、定着率のランキングだけでなく、
上場企業はじめ、大企業・中堅企業の取り組み例も紹介されていますので、
気になる方は読んでみてください。

でも、うちはそこまでできないよ、
中小企業がホワイト企業になるにはどうしたらいいの?
と思った方には、、、

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