TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰

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『2015年 トレンド&税制改正』 

15.01.13 | 税務・会計

2015年がスタートしました。
今年は、いったいどのような一年になるのか、ビジネス的にも、とても気になりますね。

昨年末、『2015年トレンド予測』という大変興味深い特集記事が掲載されていましたので、ご紹介しながら、トレンド&税制をからめて、ご一緒に考えてみたいと思います。


■2015年のトレンド・キーワード・・・『新3世代消費』『グランピング』

新3世代消費というキーワード。

団塊の世代が祖父母になる時代を本格的に迎えて、「団塊の世代+団塊ジュニア+孫」という消費カテゴリーが牽引するのでは、という予測です。
個人消費力のある段階の世代が、お金を出して、世代間で楽しむ『グランピング』もキーワードのようです。

ちなみに、『グランピング』とは、「グラマラス」と「キャンピング」とを掛け合わせた造語で、キャンプのような自然環境のなかで、高級ホテル並みの快適さやサービスを味わう、高級志向のキャンピングスタイルのことです。

私自身も未経験なのですが、是非とも一度、体験してみたくなるキーワードです!

(つづく)

■相続税・贈与税増税がスタートする一方で・・・


このようなトレンドが台頭してくる背景は・・・
やはり税制面での政策的な誘導
にあるようです。

今年1月から、相続税・贈与税増税がスタート。
かなり大幅な増税改正が施行されました。 
その一方で、数年前から、ジワリジワリと、次の世代への資産継承を、税制面でも誘導してきたわけです。 

2013年には、教育資金の1,500万円までの贈与非課税制度を導入。
本来は暦年で110万円までしか認められない贈与税の非課税枠を、
2015年末までに、子や孫に教育資金を贈与すれば1,500万円まで
非課税にするという内容です。 


■さらに進む、「次世代への資産移転」政策

1月14日の閣議で正式決定された税制改正大綱では、
教育資金非贈与非課税制度の期限を、3年間延長して2018年まで
とする
方向。

これまでは、教育資金の中味を授業料や入学金などに限っていた
ものを、日々の定期代や留学の際の渡航費などといった周辺費用
にまで広げる方針も盛り込まれています。 

さらには、いわゆる少子化対策にも、贈与資金非課税制度が
フル活用される見込み
なのです。 

20歳以上の子や孫に、結婚・出産・子育てに使う資金を贈与した
ような場合にも、
非課税枠を設けるという、なんとも次の世代に
とっては羨ましい?!

今回の税制改正で創設された、この非課税制度も
2018年末が期限となっていますが、期限付きなのは、
あくまでも早期に贈与することを誘発するためなので・・・
実際には、再延長することも十分考えられます。


■「住宅資金」「子ども版NISA」が、さらに拍車をかけて・・・

住宅にいたっては、子や孫が住宅を取得する際に、最大1,000万円までの非課税贈与枠を、
2015年から最大3,000万円まで拡大しようという方向性です。

安倍首相が再延期はしないと明言した、2017年4月の消費税再増税に向けて、
住宅資金取得贈与の非課税枠を、なんと3,000万円にまで拡大しようとするものです。

さらに、株式投資等の運用益が非課税になるNISAの投資枠も100万円から120万円に拡大されます。
証券会社が、ここぞとばかりに喧伝した成果?もあって、堅調に伸びているNISAを、
今度は子どもにも広げて「子ども版NISA」が創設されます。

祖父母や親が、20歳未満の子や孫を代理して専用口座などで投資する場合、
年間80万円までなら投資額を非課税にしようというのが「子ども版NISA」です。

<参考>
【平成 27 年度税制改正大綱】
【税制改正の大綱の概要】


■時代のトレンドを、常にウォッチし続ける一年に

かなり、なりふり構わず・・・といった感じの「次世代への資産移転」促進!

1,600兆円を超えるといわれる、日本人の個人金融資産。
そのうちの大半をもつといわれる「団塊の世代」以上の世代。
その世代から、消費意欲が旺盛な、いや今の消費が必要な団塊ジュニア世代~団塊の孫世代
へと資産を移していく。
少なくとも今後3年間くらいは、このトレンドは変わらないでしょう。

そんなトレンドのなかで、どこにビジネス・マーケットを見つけるか

皆さんの中には、おそらく団塊の世代の方も・・・団塊の世代ジュニアの方も・・・

多忙を極める日々の業務のなかでも、数年先までの時代のトレンドを、
常にウォッチし続ける一年にしたいものです。 



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