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どうなる『大阪都構想』??・・・11月1日に投開票
20.10.15 | 政治・経済
■ すっかり忘れていた・・・『大阪都構想』
先月9月、知己の大阪府議会議員から「大阪都構想」に関する新刊を贈呈していただきました。
その著書をみて、ハッと思い出したのが・・・「大阪都構想」に関する住民投票!
そう言えば、「大阪都構想」の是非を問う住民投票が、またなされるんだっけ。。。
そう言えば、「住民投票」って、もうそろそろ?
そう言えば、「住民投票」って、いつだったっけ??
エッ、本が贈られてくるっていくことは、もうすぐなの?!?
お恥ずかしながら、
“Go toトラベル”に乗り遅れんとばかり・・・
予算がなくなる前に「何としても、どこかには行かなければ」とばかり・・・
などと下世話なことで、頭がいっぱいだったので、
「大阪都構想」のことは、頭の片隅からも、すっかり忘れていました。
■ 地方自治にとって、とても大切なエポックが!
そうだ! そうだった!!
地方自治にとって、とても大切なエポックが控えているのです!!
長年にわたる知己への(大切なことを、思い出させてくれた)感謝を込めて。。。
大阪府民の方々への(すっかり忘れてしまっていた一都民の)お詫びを込めて。。。
できる限り、賛否どちらの意見にも偏らないように、
10月12日「住民投票」告示
11月1日「住民投票」投開票に向けて
いよいよ最終コーナーに差し掛かった
『大阪都構想』に関して、今月はふれてみたいと思います。
■ 2010年に提唱された『大阪都構想』
『大阪都構想』は、2010年、当時の橋下徹・大阪府知事が提唱されたことに、
端を発します。
「大阪府」「大阪市」が、同じような行政サービスを重複して行っていることへの解消を目指して
提唱されたという経緯です。
制度案によると、消防・水道・大学・病院・インフラ整備・港湾事業など、
いわゆる広域的な事業に関しては、「大阪府」が担います。
制度改正によって、全国的な都市間競争の司令塔としての役割を「大阪府」知事に集約することで、
大阪全体としての競争力・成長力を高めようというものです。
私自身、東京都議会に在籍していた経験もあるので・・・
「東京都」知事の権限が、予算規模・決定権限も含めて
いかに強大かという点も、まさに身を以て実感してきました。
先の消防・水道・港湾事業はじめ広域的な事業を、
大阪「都」が担うというイメージは・・・
まさに、いまの「東京都」の広域行政を思い描いていただければと思います。
■ 「大阪市」が4つの「特別区」に
さらに制度案によると、「大阪市」が4つの「特別区」に
再編されます。
新設される「特別区」に関しては、選挙で「区長」が選ばれ、
各地域の実情に応じた行政サービスが展開されることになります。
現在「大阪市」の人口は、約275万人。
「大阪市」⇒4つの「特別区」に再編されますので、
「特別区」あたりの人口は、約60万~75万人となる見込み。
この点、東京都の「特別区」は、
23区に「区長」は、もちろん一人ずつですが
23区ごとの「人口」は、約6万人の千代田区から、なんと約93万人の世田谷区まで・・・
23区ごとの「区議会議員定数」は、25人の千代田区から、50人の世田谷区まで・・・
1943年(昭和18年)に、東京市が特別区に
再編されて以来、長い年月が経ったことにより、
かなり歪みも生じてきているという点も、
厳然たる事実として存在しています。。。
ちなみに、『大阪都構想』といっても、11月1日に行われる住民投票で、
「大阪府」⇒「大阪都」への名称変更に対する賛否が問われる訳ではないのですが・・・
■ 「東京都」「東京23区」をモデルとしている制度案
『大阪都構想』は、かなりの部分で、「東京都」「東京23特別区」を参考に
モデルとしている制度案になっているようです。
大きな違いとすると・・・
区あたりの人口、人口差にともなう議員定数の違い
人口規模の違いにより、国からは、東京23区は「一般市」、大阪4区は「中核市」として
扱われるために、許認可権限等にも違いが出てきます。
「東京都」は、言わずと知れた「地方交付税」の不交付団体です。
国から、地方交付税の分配を受けなくても、独自に財政運営ができる位置づけです。
「大阪都」「大阪市」は、「地方交付税」の交付団体です。
従って、「地方交付税」交付金に頼っている分、
「東京都」に比べて財政面での自由度は、劣るものにならざるを得ません。
「東京都」には、財政調整という仕組みがあります。
不動産を所有の方は、ご経験があろうかと思いますが・・・
固定資産税は、区ではなく東京都主税局(各都税事務所)に納付しています。
「東京都」が一括徴収して、「東京都」と「東京23区」に配分する訳ですが、
配分比率は、だいたい5:5です。
「大阪府」と「大阪4区」の場合には、だいたい2:8なので、
この点も、やや異なる点です。
■ 自らの住む自治体の仕組みを選ぶ、とても貴重な機会!
いずれにしても、今回の『大阪都構想』の是非を問う住民投票は・・・
自らの住む自治体の仕組みを、これからどうしていくのか!
抜本的に変えるのが良いのか、変えなくても良いのか?
将来にわたって、どのように大阪を成長・発展させていくか!
等々、大阪の将来像を、府民みずからが考え抜き、選択する
とても貴重な機会であることには、変わりがありません。
私自身、都議会時代には、主として財務局・主税局に関連する仕事が長かったので
東京都の予算規模が大きいことのメリット・デメリット
東京都と東京23区との財源調整
23区間での急激な人口変化による、都議会議員定数などの是正・・・など
『大阪都構想』の未来に待ち受ける(かもしれない・・・)
メリット・デメリットも、想像できるように思います。。。
どんな制度論、どんな政策論にしても、一長一短はあるので・・・
いずれの結論になるにしても、自ら責任をもって考え抜いて、
責任をもって、自らが暮らす自治体の制度を選び抜くこと!
こんな、「真の地方自治」の機会に2度も巡り合わせたこと、
是非とも前向きに捉えて、11月1日を迎えてほしいです。
2020年10月15日
山 崎 泰
- TFSコンサルティンググループ/TFS国際税理士法人 理事長 山崎 泰
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